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セミナー

【レポート】人間塾2020年度第4回ヤングセミナー

2020年5月12日

人間塾 第5期生 浦山宗宏
(東京医科大学6年)

去る5月7日、人間塾第4回ヤングセミナーが行われました。例年は、このゴールデンウィークの期間に小豆島お遍路研修を行いますが、昨今の事態を踏まえて中止になってしまいました。その代替として、塾生が主体となって新入生である9期生のためのお遍路web研修が5月2日、3日に行われました。研修では、各々お遍路の経験やその経験を通して得た学びや気づきを共有しました。各塾生の個性溢れるプレゼンを満喫しながらも、新たな学びを得ることができ、大変有意義な研修となりました。そのような研修を経た後のセミナーでしたので、塾生として学びに真摯に向き合おうと皆意識を高めて臨んだヤングセミナーとなりました。

今回のセミナーでは、塾長が大学在学時に受講したスペイン人教授の授業について講義がありました。塾長が受けた授業は約40年前の哲学の授業でした。そのテーマは「アンガジェとアウトサイダー」だったそうです。「アンガジェ」とはフランス語ですが、英語で言い換えると「engage」という言葉です。この「アンガジェ」を「参画する」と塾長は訳しました。「参画する」とは、つまりは「関わること」「携わること」です。そして、「アンガジェ」の反対の意味を表す言葉は、「アウトサイダー」という言葉です。この2つの言葉について、講義が行われました。

人間塾2020年度ヤングセミナー:河川敷にて

河川敷にて

まず始めに塾長は、塾生は常に「アンガジェ」でいなければならないとおっしゃいました。「アンガジェ」でいるとは、自分の目の前に存在する人々に関わり、部外者にならないという意味です。その人の幸せのために常に想像力を持ち、積極的に生きることです。そのためには、人が直面している困難をあたかも自分も経験しているかのように受け止めなくてはなりません。他人事を自分のこととして受け止め、生きることが求められます。そしてその人にとって何が幸せにつながるのかを想像して生きる必要があります。

例えば、このコロナ禍において、多くの人は感染しないように外出を自粛し、大切な人が大変な目に合わないように、ひいてはこの事態の頼み綱である医療関係者に迷惑をかけないようにしています。これが「アンガジェ」としての生き方です。一方、ニュースでも取り上げられていましたが、この自粛中に感染のリスクを考えずに行動する人もいます。これは「アウトサイダー」です。自分さえ良ければよいと考え、他人の幸せや困難に無関心です。講義では、この「アウトサイダー」の行き着く先は、ニーチェが説いた「ニヒリズム」であると塾長はおっしゃいました。「ニヒリズム」に陥っている人々は、自分の行動や人生の目標が欠如しており、人の人生に無関心です。そのため、周囲の状況を自分のこととして捉えることなく、欲望と本能のままに生きるのです。人生には意味がない、虚無しかないと考え、自分の欲求の導くままに日を過ごします。

しかし、私たち塾生は「アンガジェ」でいなければなりません。そのためには、強いられている不自由な生活にも何らかの意味があるものとして生きねばならないと塾長はおっしゃいました。いつ終わるか分からないコロナ禍で自粛生活が続く中、何のためにこのような不自由な日々を生きているのか見失うことがあります。しかし、目先の状況に振り回されることなく、その先を見据えて日々行動していくことが求められています。

人間塾2020年度ヤングセミナー:自家製ベーコン

自家製ベーコン

私は、医学部6年に在籍しており、今年度は病院への就職活動、卒業試験、医師国家試験が控えています。医学部6年生の授業は、病院での実習が主体ですが、その実習も中止になり大学施設への立ち入りも禁止されています。そのため、就職はどうなるのか、実習の補習はあるのか、卒業できるのかなど不安は尽きません。不安の中、直面する様々な事態に一喜一憂することがあります。しかし、そのような状況は、他の学生も変わりません。大学が休校で時間のある今だからこそ、どんと腰を据えて将来につながることを想像力を働かせて熟考していこうと思います。

今の日々を有意義にするために、意識を高めて過ごそうと再認識することができたセミナーとなりました。



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塾長のそれでええやん!

塾長・仲野好重が日々を綴った連載
※連載は一旦終了しました。