セミナー

【レポート】人間塾2020年度第3回ヤングセミナー

2020年5月8日

人間塾 第7期生 冨岡平祐
(埼玉大学大学院 修士1年)

桜も散り、だんだんと初夏の接近を感じ始めた4月30日、今年度第3回目のヤングセミナーが行われました。ゴールデンウィーク明けまでとなっていた緊急事態宣言が期限延長されるとの知らせを受けましたが、今回もこれまで同様、遠隔でのセミナー開催となりました。

セミナーはまず、塾長から塾生への4つの問いかけから始まりました。

それは、「緊急事態宣言の発出以降、あなたの生活はどう変わったか?」「あなたの精神性はどう変わったか?」「世界を見る目はどう変わったか?」「あなた自身の自分というものの受け止め方は変わったか?」という4つでした。

生活についての問いに対して、大半の塾生は「生活習慣が健全になった」と応えました。私自身も健康に気を配るようになりましたし、制約下においてこそ規則正しく暮らそうと意識するようになりました。

精神性については、自宅での生活で時間的余裕ができ、それが心の余裕につながったという意見が出ました。心の余裕を持つことで、目を向けてこなかった部分にも気を配るようになり、気持ちが細やかになったという気づきが多く発表されました。

人間塾2020年度ヤングセミナー:慣れてきた自炊生活

慣れてきた自炊生活

私たちが対峙する世界について問われた時、ある塾生は「有事においての日本の危機対応に遅さを感じた」と話しました。それに対し、塾長は指揮をとる国家に専門家集団として意見を提出する省庁や組織において、必ずしも方向性や意見が一致しているとは限らない、とお話しくださいました。報道等で伝えられる情報は、その報道する側に都合よく切り取られ、編集されています。よって、国内の様々な意見を実態通りに集約ができているのか保証されていません。よって、国民一人ひとりが、状況を正しく認知するためにも、何が本当に正しいのか、最適な行動なのかを、それぞれが自分の頭で考え、判断しなくてはいけないとお話しされました。

そして自分に対する受け止め方の変化では、「他者の事情を想像できていなかった自分に気づいた」という話が出ました。首都圏から地元に帰省する人を見て、なぜこの時期に、と私も感じましたが、休業措置により仕事もなくなり生活のために帰る人もいます。それぞれの事情に対し想像力を働かせる必要があると知りました。多くの情報を与えられた際に、自分が納得でき、安心できるものに飛びつくのではなく、吟味し賢く選ぶということが求められています。そのためにも知識や教養、常識的判断力を身につけていなくてはいけないと感じました。

人間塾2020年度ヤングセミナー:散歩道の荒川河川敷

散歩道の荒川河川敷

また塾長は自己肯定感についてのお話をしてくださいました。平時では喜びを分かち合うという言葉を使いますが、今は苦しみを、不便さをそして辛さを分かち合う時期です。今も私たちの生活や社会を守るために懸命に働いてくださっている方々がいます。そういったことに想像力を働かせることが求められていますが、中には自分の欲求を抑制できない人々も多く存在します。自分の都合や自由を優先する人もいます。そういった人は自己肯定感が低く、自身がコロナウイルスに罹患しても構わない、ひいてはそれを人にうつしても構わないという考えでいるということです。本当の意味で自分を大切にすることが、他者をも大切にすることにつながるとは考えていないのです。自分を大切にしてくれる人がいる、そして自分も人を大切にしなくてはいけないということを理解できていないのはとても残念な現実です。

ある塾生はそういった自己肯定感が低いことは、悲しいことだと話しました。投げやりな姿勢、自分さえよかったらいいという考え方、それらの価値観はひどく孤独で寂しく悲しいものです。正しく自由な社会を実現するためには、全ての人が賢明でなくてはいけないと塾長はお話しされました。

人間塾2020年度ヤングセミナー:散歩道の桜

散歩道の桜

そのような自分勝手な事例もありますが、人の温かさを目にする場面もあります。先日、私は献血に行ったのですが、このような状況下でも献血センターでは予約は満席でした。センターでも、「三密」を避けた状態で多くの人が誰かのためを思って献血に協力していました。そのような人が多くいるということに、心が温かくなりました。

今私たちはこの社会情勢の中で人の温かさ、そして自分勝手さの両面を見ています。人間塾の面々に四ツ谷で会えないことを寂しく感じますが、一刻も早い事態の収束を願い、社会の一員として、自分が今何をすべきなのか、自宅での生活の中で問い続け、行動に移していきたいと思います。



塾長のそれでええやん!

塾長・仲野好重が日々を綴った連載
※連載は一旦終了しました。