ヤングセミナー
【レポート】人間塾2015年度塾生主催シンポジウム
2015年11月27日
人間塾 第3期生 佐々木瑛代
(国際基督教大学4年)
4月から少しずつ準備してきたシンポジウムが、11月15日にとうとう当日を迎えました。やっと終わったという思いと、もうそんなに経ったのかという思いが入り混じっています。
私は、このシンポジウムの企画・運営リーダーをしていました。多くの人々に人間塾がどのようなところなのか、何を目指しているのかを知っていただきたいという思いから、私たち塾生が普段受けているセミナーを公開するという形で、企画が実現しました。
このシンポジウムでは、「悩み揺れながらも、進む人生」というテーマを掲げ、塾長にセミナーをしていただきました。しかし、事前の台本は一切なく、どのような切り口でセミナーが進むのか、私たち塾生は全く知らされていませんでした。その結果、私たちの戸惑い、悩み、揺れる姿を会場の皆さまに見ていただき、共に考えていこうとする企画になったと思います。
当日のセミナーでは、まず塾長は「あなたは何に悩んでいますか」と塾生に問われました。その時私は「この先、日本語教師という職に就きたいが、どのような場所でどのような先生になりたいのか、はっきりしているようでしていない。それによっては、この先、何を学んで、どこにいけば良いのかが変わると思うので、悩んでいる。」と言ったところ、「その悩みは無意味だとは言わないけれど、はっきり言って無駄だ」と塾長に返されました。その理由は、この先どこに行って、誰と出会って、どのように道が変わっていくのか全くわからないのに、自分の想像の中で苦しんでいるだけのことだと、塾長はおっしゃいました。確かに、私はどのような先生になりたいか、どのように日本語を教えたいかを自分の想像できる範囲でしか考えていなかったと、改めて感じました。
その後、議論が進んでいく中で、塾長は「幸せとは義務である」という話をされました。また、「幸せが義務と考えるならば、幸せになるために何をしなくてはならないか」という問いを、私たち塾生と会場の聴衆にも投げかけられました。会場からは「まずは、衣食住をしっかりさせる」という意見や「愛が必要」という考えも寄せられ、来場者と共に考え、議論ができる時間となりました。
今回は、塾生以外からも多くの意見を聞くことができました。この先の人生においても、自らに問うていかなければならない、結論の出ない難しい問いばかりでした。しかし、人間塾の公開セミナーを通して、与えられた問いに塾生が悩み揺れながらも、人生を進んでいく姿をお見せできたのなら幸いに思います。来場者の皆さんに人間塾のことを少しでも知っていただき、興味を持っていただけたのなら、企画リーダーとして本当に嬉しく思っています。