ヤングセミナー
【レポート】人間塾2019年度オペラ鑑賞会
2019年12月5日
人間塾 第6期生 落合悠人
(東京大学大学院 修士2年)
去る11月28日に新国立劇場にて、オペラ「椿姫」を鑑賞しました。私たち人間塾生は昨年の「タンホイザー」に続き、1年に1回、オペラ鑑賞の機会をいただいており、塾生一同わくわくした気持ちで劇場に足を踏み入れました。
鑑賞前に、修了生の遠藤さんが勤める劇場内のレストランでお食事をいただきました。美味しいディナーをいただきながら、「椿姫」のあらすじを語り合い、期待に胸を膨らませる楽しいひと時を過ごしました。
オペラが始まると、その途端に、私は「椿姫」の世界に引き込まれてしました。主人公である椿姫ことヴィオレッタの歌声は、その細身な体から発されているとは思えないほどの声量で、とてもクリアに私たちに響いてきました。驚いたのは、切ないシーンで囁くように歌っているにも関わらず、はっきりと声が届いてくることです。映像やスピーカー越しでは味わえない迫力がありました。
私が心に残ったのは、ヴィオレッタの愛に対する真摯さです。享楽的な生活に溺れていたヴィオレッタは、青年アルフレードの告白を受け、彼に惹かれていきますが、はじめは「愛は面倒くさい。これまでのように快楽に溺れる方が気楽よ」と愛を受け入れがたい様子です。しかし、その後、真実の愛を知ったヴィオレッタは、アルフレードとの不本意な別れや、それを裏切りだと勘違いした彼からの侮辱など、死ぬほど苦しい思いをしながらも、最後まで愛を貫き通して生きました。
人間塾をはじめとして日々の生活でたくさんの愛をいただいている私たち塾生も、人への愛を蔑ろにすることはできません。塾長は「愛は楽しいだけではなく、ときに苦労や困難が伴うものである」とおっしゃいます。苦労や困難が伴っても、人を愛することを諦めずに生きていかなければならないと改めて心に刻む機会となりました。