ヤングセミナー
【レポート】人間塾2021年度入塾前オリエンテーション第一日目
2021年4月9日
人間塾 第7期生 松田怜奈
(日本大学5年)
2021年4月3日、新入塾生である第10期生のオリエンテーションの第一日目が行われました。第10期生のほとんどが、昨年度の授業がオンラインだったということもあり、久しぶりの対面形式の授業に、皆とても嬉しそうでした。
まず午前中は、自己紹介から始まりました。塾長が、人間塾が設立されるまでの経緯を話されました。また、人間塾における給付型奨学金は他の団体とは内容が大きく異なるスカラーシップであることも説明されました。第10期生にとって、自然と人間塾生としての自覚が芽生えるような、深い内容からオリエンテーションは始まりました。第7期生である私にとっても、初心にかえり、新たな気持ちで頑張ろうと改めて思う機会になりました。
人間塾では、壺井専務理事が新札で準備してくださった奨学金を、毎月、塾長が手渡ししてくださいます。わざわざ新札を用意してくださる理由は、私たち塾生に対する期待や愛情、尊重する気持ちなど様々な意味が込められているからです。実際に、私たち自身もスカラーシップをいただく際、背筋がピンとし、今月も頑張ろうと気持ちを新たにすることが出来ます。
沢山の思いがこもったスカラーシップを毎月いただいていることに改めて感謝の気持ちでいっぱいになりました。沢山の期待や愛情を与えていただいている分、自分に与えられた使命に向かって、一日一日を大切に生きなければならないのだと強く感じます。
お昼の休憩を終え、午後からのセッションは、第10期生の保護者の方々も参加されました。塾長が、ブリヂストンタイヤの創業者であり、人間塾設立者・井上和子さんのお祖父様でもある石橋正二郎氏についての講演を行われました。
正二郎氏は、17歳の時、お父様が経営していた仕立物屋を継ぐことになりますが、18歳の時に足袋単品の量産化を決意し、さらに給料制やミシンを取り入れ合理的な経営へと方向転換していきます。彼が残した言葉の中に、「何事を成すにも、真心をもって物事の本末と緩急を正しく判断し、あくまでも情熱を傾け、忍耐強く努力したのであって、運が良いとか先見の明があると言われるが、世の中に尽くすという誠心誠意こそが真理だと思っている」というものがあります。私はこれらの言葉が特に印象に残りました。
今まで中途半端にしか行動してこなかった私にとって、強い意思や目的を持ち続け、それに向かって最大限努力を積み重ねることこそに意味があるのだと改めて気づかされました。そして、正二郎氏のように、常に「世のため、人のため」を思いながら、自分の可能性や能力を惜しまず使えるような豊かな人間に成長しなければならないのだと改めて感じました。
正二郎氏の人生のモットーである「世の人々の楽しみと幸福の為に」という精神は、世代を超え、形を変えながら、井上和子さんに受け継がれ、人間塾という場で多くの塾生に注がれています。私たち塾生も、正二郎氏から和子さんへ渡ったバトンを引き継がなければならない存在だと感じます。そのような存在になれるよう、今年度も自分の中にある原石を磨き続けていきたいです。