ヤングセミナー

【レポート】人間塾2025年度第11回ヤングセミナー

2025年10月1日

2025年9月11日に開催したヤングセミナーのレポートをアップいたします。第14期生の若林秀がレポーターです。このセミナーでは、C.S.ルイスの名言を紐解きながら、人の役に立つという行為について、深く味わい、考えました。読者の皆様にも何かが響けば幸いです。

是非ご一読ください。

今回のレポーターは第14期生の若林秀です。是非ご一読ください。

塾長・仲野好重

人間塾第14期生 若林秀
(立教大学2年)

去る9月11日に第11回ヤングセミナーが開催されました。夏休みを挟んで3週間ぶりのセミナーでしたが、塾生は有意義な夏休みを過ごせたことを互いに喜び合いながら、気持ちを新たにセミナーに臨みました。

今回のセミナーでは、C.S.ルイスの著作「Mere Christianity」より抜粋された文章をもとに、「慈善」の本当の意味について考えました。この文章は、現在ドイツ・ベルリンでピアノにおいて研鑽を積んでおられる修了生の橋沼黎さん(第11期生)が読んだ本の中で、出会ったものだそうです。橋沼さんは、人間塾での学びの本質に迫るこの文章を胸に、日々精進している旨を手紙で仲野塾長に伝えてこられました。手紙を読んだ塾長は、ルイスの文章をぜひ塾生にも共有したいと考え、私たちに紹介してくださいました。

人間塾2025年度ヤングセミナー:ルイスのことば

ルイスのことば

その文章とは「他者に奉仕する時、その度合いは自分で決められない。唯一最善な度合いがあるとするならば、自分が余裕を持っている以上のものを他者に与えることである」というものです。ここでいう「余裕」とは、他者に自分が持っているものを与えたとしても、特に自分に損や不利益がない範囲ということを意味します。本当に誰かのために行動したいのならば、どこかで我慢をしなければなりません。つまり、自分に対して痛みや苦しみがないと、その行為は「余裕を超えた」ところからの真の慈善ではなく、損得勘定を想定した程度の低いもの、あるいは偽善的な行為となってしまうのです。

現代ではこの事実を聞くと、慈善活動をためらう人が多くいると思われます。皆、我が身可愛さから利己的になり、自分が損することを極端に恐れているからです。では、目の前に飢え、苦しみ、今にも死にそうな人がいても自分が損をするからと無視をするのでしょうか。人間にも心があり、知性があります。仲野塾長は元日本国際協力機構(JICA)理事長であり元難民高等弁務官であったった緒方貞子さんの「もしその現状を一度でも知ってしまったのなら、放っておけないでしょう。何かしないではいられないでしょう」という言葉を挙げて、慈善活動に向けた心構えや、その必要性を強調されました。

人間塾2025年度ヤングセミナー:夏休み中のお土産

夏休み中のお土産

私は今回のセミナーで、真の慈善活動が伴う「痛み」について考えました。私は、「人生は楽しいものではない。苦しみや困難の方が多い」ということを人間塾で初めて学び、大きな衝撃を受けました。というのも、私は自分の未来には希望や幸せが待っているということを漠然と考えていたからです。

しかし、人生は苦しいことばかりではありません。その途中途中に、感謝の言葉と出合ったり、自分が一歩前に進んだと感じる体験があることで、次の試練や困難も乗り越えることができるのです。世のため人のために働き、行動するためには、痛みを耐え忍び、乗り越えて行かなければなりません。しかし、人生が辛苦を伴うものであることを認識しているか否かによって、この苦しみとの向き合い方が大きく変わると思います。

私は、人間塾で常に自分の課題と向き合っています。それは時に辛さを伴い、苦しい状況の中で辛抱強く耐えなければならない時もあります。しかし、社会に出る準備期間である大学生のうちに、このような貴重な経験を重ねることで、この先痛みを恐れず、世のため人のために自分の能力や可能性を惜しみなく使って活動に取り組むことができるのだと思います。したがって、これからも人間塾での一つひとつの学びや体験を大切にしていきたいと思います。



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