ヤングセミナー
【レポート】人間塾2024年度第7回ヤングセミナー
2024年7月17日
2024年7月4日に第7回目のヤングセミナーを開催しました。
今回は、高橋珠翠先生のお習字研修でした。高橋先生には、すでに12年間にわたってお習字研修を続けて頂いておりますが、筆で文字を書く機会が皆無という大学生が相当数いるのが現状です。筆で文字を書くというのは素晴らしい日本文化の一つです。塾生たちには、将来においても、毛筆で文字を書くことを忘れないでいてほしいと願っています。
今回のレポーターは、第13期生の山田凌央です。是非ご一読ください。
塾長・仲野好重
人間塾 第13期生 山田凌央
(早稲田大学 基幹理工学部 2年)
去る7月4日のヤングセミナーでは、年に2回のお習字研修が行われました。高橋珠翠先生に今年もお越しいただき、ご指導いただきました。珠翠先生は人間塾のホームページや冊子などでよく目にする「人間塾」という文字を書いてくださった方でもあります。今回は珠翠先生に筆ペンを頂き、早速それを使って練習し始める塾生もいました。
研修が始まると塾生は皆、筆ペンを持って、黙々と文字の練習に取り組みました。人間塾のお習字研修は書くものが決まっておらず、かなり自由に課題を決めることができます。塾生は自分の名前をはじめとして、暑中見舞いに向けた住所や好きな言葉などを集中して書き続けました。
さらに珠翠先生の添削は塾生たちに非常に人気があります。添削の際、珠翠先生は私たちが書いた字を見ると、最初に必ず、その文字を誉めてくださいます。そこから、文字にその人らしさをより良く表現するためのアドバイスをくださいます。
私は、自分の名前の練習をしました。名前は私自身を他者に認識してもらうための一つの要素です。これを美しく書くことは自分のアイデンティティを表現する一つの方法だと考えました。珠翠先生の指導で特に印象的だったことは字の太さを使い分けるということです。「凌」という文字の右側は画数が多いため、潰れやすいと指導を受けました。そのため、太い部分と細い部分を使い分けることが大切だと言われましたが、筆を使い慣れていない私は、筆を使って文字の太さを変化させることに苦戦しました。珠翠先生が書いてくださったお手本を参考にしながら、筆の運び方、持ち方、力の入れ方等を学ばせていただきました。これを実践するためには一角一画、気を抜くことができず、集中し続ける必要があると感じました。
最近はデジタル化によって筆を持つ機会が減っています。そんな時代を生きている私たちは、一文字一文字、先生に添削していただきながら、書道の練習をすることができる大変貴重な機会をいただきました。実際にお習字研修を通して、筆の動きや力の入れ方で太さが変化すること、そして、文字を美しく書くために大切なことを学んだと思います。それは、手だけではなく、全身の神経を「書くこと」に集中させる必要があるということです。
筆を使って美しい文字を書くことは、その文字を手にする相手への敬意を示す一つの手段です。お習字研修を通して、改めて筆で文字を書くことの大切さに気づくことができました。珠翠先生が教えてくださったことを心に留め、日常生活において美しい文字を書く努力を続けたいと思います。