ヤングセミナー
【レポート】人間塾2024年度第3回ヤングセミナー
2024年5月17日
2024年5月9日に、第3回のヤングセミナーを開催しました。5月6日に小豆島のお遍路研修から戻ったばかりの塾生たちは、今、心の中に持っている熱い思いを分かち合いました。島の皆様からの数々のお接待に、心動かされた塾生も多くおりました。
今回のレポーターは第13期生の馬部壮太良です。
是非ご一読ください。
塾長・仲野好重
人間塾 第13期生 馬部壮太良
(国際基督教大学 教養学部 2年)
去る5月9日、第3回ヤングセミナーが開催されました。入塾後すぐに開催されたお遍路研修を終えて、通常のヤングセミナーで学びを深める日々が戻ってまいりました。私を含め13期生は、お遍路研修で先輩塾生や同期と親睦を深めることができたため、リラックスしつつも気を引き締めた表情で参加しました。
また、今回のセミナーには、人間塾のウェブサイトを運営をしてくださっている勝野様がお越しくださり、ヤングセミナーの様子を見てくださいました。勝野様は私たちが書くレポートが公開される前に、原稿や写真を確認してくださり、レイアウトした上でHPに掲載してくださる方です。しかし、塾生と対面でお会いになる機会がなかなかありませんでしたので、今回のセミナーでは自己紹介を通して私たち一人一人について知っていただく機会を頂きました。
自己紹介を終えたところで、5月3日から6日にかけて行われた香川県小豆島でのお遍路研修を振り返り、塾生はお遍路中に考えていたことや感想を共有しました。お遍路中に訪れたお寺で、お茶やおうどん、お菓子などのお接待を受け、親切さのありがたみや人の温かみを感じたことへの感謝が多く語られました。また、3日間自分と向き合って考えたこと、その結果、至らないところや自分に対しての甘えなどに気づいたことが発表されました。
私たちが共有したお遍路での感想に対して、塾長先生はファースト・ペンギンのお話をされました。ファースト・ペンギンとは先進者、先駆者を表し、ある分野で新しい技術やアイディアを取り込んだり、開拓する人を指します。お遍路では先達という、お遍路道を案内し先導してくださる方がいます。私たちは3日間、このファースト・ペンギンのような先達さんのおかげで、険しく複雑なお遍路道を進んで行くことができました。これから私たちが社会にでて、キャリアを進めていく中で、人の先頭に立つファースト・ペンギンにならなければいけない時がくると思います。塾長先生はその際に、未知の世界に一番に飛び込んでいく勇気があるかを私たちに問われました。
また、塾長先生からはお遍路でのお接待について、お話がありました。感謝する気持ちを忘れないこと、受けたご恩をしっかりと受け止め、自分だけで完結させず、次の人に繋いでいくことが必要であるとお話してくださいました。お遍路研修に参加する前の私は、人から親切を受けた際にどのように報いるべきか考えすぎてしまい、結果として素直に喜ぶことができなくなっていたように思います。しかし、お遍路の道中でお接待を経験し、塾長先生のお話を受けて、受けた親切は、周りの人に繋いでいくものだという考え方に辿り着くことができました。私は自分のことだけに焦点を当ててお遍路道を歩いていましたが、自分と向き合った話を人に伝えるだけでは十分ではありませんでした。他の塾生がお遍路中に考えていたことを知ることを通して、より自分の考えが整理されたと感じました。
この2つのお話を聞き、塾長先生からの「ファースト・ペンギンになれるか」という問いに対して、現在の私はファースト・ペンギンのように、自分の生活や命がかかった未知の場所に飛び込んでいく勇気はないと思います。私は将来、大学でどの分野を専門として学びたいか決まっておらず、未知の世界に飛び込む覚悟がないように感じます。しかし、お遍路で島の人々からお接待という形でサポートを受けたことで、今私が日々生活できているのは、家族や周りの人々の支えがあってこそだと改めて気づきました。家族が与えてくれた環境を大切にして、大学で新たな挑戦をすることが、今、私のすべきことなのだと感じました。私は自分の力だけで生きているのではなく、周りの人々に生かされているという考えにいたりました。これからは、感謝を忘れずに、そのありがたさを人に「恩送り」させていただく人になることで、より魅力的な人間になりたいと思います。
将来、キャリアを積み、ファースト・ペンギンになるべき時には、そうなれるように、今、時間がある大学生の時に色々なことにチャレンジしてみようと思います。先輩塾生が昨年と今年のお遍路研修での自分を振り返り、去年の自分から成長していたと話されていました。私も来年の自分の姿に期待しつつ、現在の自分と向き合いたいです。お遍路を通して、私自身が見つけた課題から目を背けずに、人間塾での学びを通して、未知の世界に恐れずに飛び込む勇気を持った人になれるよう、これからも精進して参ります。