ヤングセミナー

【レポート】人間塾2024年度第21回ヤングセミナー

2025年1月31日

2025年1月23日に第21回ヤングセミナーを開催いたしました。今回は「小さな名も無い花の中に存在する宇宙」について、私の体験談を交えながら話をしました。塾生たちは、このような形而上学的な議論には慣れていません。しかし、これからのAI社会の台頭に伴って、人間の存在価値や人生の意味をさらに考えなくてはならない時代が来たと痛感しています。

今回のレポーターは、第13期生の中島継人です。
是非ご一読ください。

塾長・仲野好重

人間塾 第13期生 中島継人
(法政大学 2年)

去る1月23日、第21回ヤングセミナーが開催されました。今回のセミナーでは、2月末にまとめ合宿で滞在予定である不二聖心女子学院内の「黙想の家」 についてご紹介がありました。塾長ご自身が、かつて黙想の家で聖心会シスターである速水彌生さんから頂いたお言葉とその意味についてのお話から始まりました。

人間塾2024年度ヤングセミナー:「全宇宙を見た」とは

「全宇宙を見た」とは

黙想の家は、自分を見つめ直し、自己と向き合う場所として、談話室以外では沈黙を守るルールが設けられています。塾長は不二聖心の広大な自然の中で歩いている時に、一輪の花を見つけ、その花が一日かけて咲きしぼむ様子を観察したそうです。それをシスター速水にお伝えすると、「小さな花の咲きしぼみのなかに、あなたは全宇宙を見たのね」とおっしゃったそうです。塾長は、「小さな花でさえ太陽の動きに呼応して必死で生きている。このように小さな命の中にも、大いなるものの力が存在している。それこそが宇宙である。そのような宇宙によって我々は生かされている」と思ったそうです。

このように自分を取り巻く世界を捉えれば、「生」への感謝の気持ちが生まれるのであると、私は解釈しました。このお話から、普段何気なく見過ごしているものの中に、本質的なものを見出すことができるということを学びました。まとめ合宿では、本質的な物事の見方の発見が重要になると考え、私もこのような気づきを得られるように頑張りたいと思っています。

人間塾2024年度ヤングセミナー:「有り難う」について

「有り難う」について

また、感謝の気持ちを表す言葉「ありがとう」についてのお話もありました。「ありがとう」という言葉は、漢字で「有り難う」と書かれますが、「有る」が「難しい」と表現されています。これは言い換えれば、「存在していることは当たり前ではない」という意味に取ることができます。他の人から何かをして頂いたり、物をいただくことは決して当たり前ではなく、受け取る資格がない位小さな自分であっても、「あなたはありのままでいい」と認めてくださることに感謝の気持ちが生まれます。感謝を伝えるための言葉として使われている「ありがとう」には、謙遜の心が込められていることを学びました。私はそれまで「ありがとう」という言葉に、してもらったことに対する申し訳なさを込めていました。しかし、このお話を聞いて申し訳なさではなく謙遜の心を込めるものであると学び、受けた恩を他の人に送れるような存在にならなくてはいけないと感じました。

最後に、塾長は在塾生の間には信頼関係が十分に築かれていないとおっしゃいました。相手の良い部分を取り入れ、自分が大切に思っている価値観を相手の中に見出すことができれば、それが信頼関係を築く基盤になります。人間塾で学んでいる者同士が熱意を持ち、根底にある価値観が共鳴することによって本当の信頼関係を築けると塾長はお考えになります。
まとめ合宿直前のヤングセミナーでは、来年度から入塾予定の14期生との顔合わせも予定されており、塾生全体の繋がりをさらに強化する必要があると感じました。特に私を含めた13期生は、初めて先輩塾生として新入塾生を迎える立場にあります。今のままではいけないという危機感を抱き、塾生会やBS会を通して塾生同士の絆と信頼関係を深める努力をしなくてはいけないと考えています。



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