ヤングセミナー

【レポート】人間塾2024年度第19回ヤングセミナー

2024年12月30日

2024年12月26日に、年内最後のヤングセミナーを開催いたしました。今回は、塾生たちを驚かせようと、私なりに工夫を凝らし、新聞の中の苦手な記事を15分間でまとめて、3分間で要約を発表するという内容にいたしました。この日の為に、私はコツコツと新聞をため込んで、セミナー時に一人一人に一部ずつ配りました。私は、昨今の紙媒体からの活字離れを大変危惧しています。塾生たちには、ネットニュースやSNSだけではない、面倒臭いけれども自分の手と頭を駆使して物事を考えるようになって欲しいと願っています。

今回のレポーターは、人間塾在塾5年目となった第9期生の山本天智です。
是非ご一読ください。

塾長・仲野好重

人間塾 第9期生 山本天智
(国際医療福祉大学 6年)

年の瀬も迫った12月26日、年内最後のヤングセミナーが開催されました。

セミナーではまず、昨今は発信源不明の様々な情報がインターネットやSNSを通じて得られるようになった中で、塾長が感じる危機感からお話が始まりました。その中でも、紙媒体として発行を続ける新聞は、記者の責任のもと、比較的信頼度の高い情報が得られるものとして取り上げられました。

仲野塾長はいきなり塾生たちに「新聞の記事の中で苦手なテーマや読み飛ばしてしまう欄は何か」と問われました。塾生たちは各々「経済」や「政治」など苦手な分野を答えていきました。すると今度は各塾生に新聞が一部ずつ配られ、先に答えたような苦手な記事を探したうえで、その選んだ記事を3分間に要約するという課題が与えられました。

普段のセミナーではめったにない展開に少し戸惑いながら、塾生たちは苦手な分野の記事を探し出し、あくせくしながら要約をしていきました。要約が終わると仲野塾長がランダムに塾生を指名し、指名された者は要約した内容を発表します。そしてさらにその発表を、別に指名された塾生(これも塾長がランダムに選びます)が、再度短く要約していくという、普段の講義とは異なる形のセミナーでした。

人間塾2024年度ヤングセミナー:記事の内容を発表

記事の内容を発表

発表内容は多岐にわたりました。ある塾生は海底ケーブルに関する国際関係の記事、ある塾生は日銀の追加利上げの是非に関する記事など、専門用語などもある中で皆苦手な分野の記事の要約を発表していきました。各発表のあとで「では今の発表内容を一言でまとめてください」と唐突に仲野塾長から指名されるので、塾生たちはお互いの発表を集中して聞かなくてはならず、気を抜くことができませんでした。

全員の発表が終わり、最後に塾生たちから感想がでましたが、「書かないで(発表者の内容をさらに)まとめることに難しさを感じた」や「知識のない分野をまとめることがとても難しかった」といったように、馴染みのない分野や苦手な分野に対する私たちの知識のなさ、教養のなさを痛感する感想が多く挙げられました。

今回のセミナーを通じて仲野塾長は、何かをまとめる際には具体的な事例や数字をたくさん述べるより、重要な単語を交えて話の要点を端的に述べることが大切だとおっしゃいました。そしてたった一部の新聞をとってみても、これほどまでに多くの事柄が書いてあることに触れたうえで、普段から少し意識して様々な分野の記事に目を通してみることが重要であること。そして、それにより世界の動きが見えてきて、自らの視野が広がることにもつながるのだと話されました。

人間塾2024年度ヤングセミナー:壺井さん手作りアップルパイ

壺井さん手作りアップルパイ

普段とは異なる形式で、新聞という媒体を用いてさらに学びを深める方法を知った面白いセミナーとなりました。セミナー終了後は、壺井専務理事の手作りのアップルパイを頂きながら、塾生同士楽しく談笑いたしました。

人間塾も年末年始の休暇となりますが、私たち塾生には冬季の課題図書が出ており、まだまだ学びは続きます。年が明ければいよいよ一年間の学びのまとめに入っていきますが、まずは人間塾での2024年を締めくくる日となりました。

本年もたくさんの方々に支えられながら様々なことを学び経験してまいりました。改めて感謝申し上げます。皆さまどうぞよいお年をお迎えください。



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