ヤングセミナー

【レポート】人間塾2025年度事前研修2日目レポート

2025年4月12日

2025年4月6日に、事前研修2日目を開催いたしました。随分と打ち解けた雰囲気のなか、私からの講話に加えて、5月の連休に行う江戸三十三観音巡りの行程を相談したり、役割分担を決めたりと、実際的なことについても話し合いを行いました。この2日間で、塾生同士がずいぶんと仲良くなったように感じます。

今回のレポーターは第13期生の馬部壮太良です。下級生ができた彼は、今張り切っております。是非ご一読ください。

塾長・仲野好重

人間塾第13期生 馬部壮太良
(国際基督教大学 3年)

去る4月6日、今年度の新塾生である第14期生のための事前研修2日目が開催されました。2日目ということもあり、塾生たちの間に感じられた緊張感が和らいだように思いました。1日目の事前研修について振り返り、思いを共有した後、セッションが本格的に始まりました。

人間塾2025年度ヤングセミナー:役割決め

役割決め

午前の時間は、まず仲野塾長から芸術鑑賞に参加する意味についてお話がありました。塾生は年に数回、バレエや歌舞伎などの芸術に触れる機会をいただきます。芸術は、解釈が多岐にわたるため、他者との考えの違いを知り、会話を生む共通の話題になるとの説明がありました。仲野塾長は、この芸術鑑賞という経験を通して、自分の専門分野に留まらずに、幅広い知識や経験に触れ、人とつながることを大切にしてほしいと述べられました。

このセッションは教養学部に所属する私にとって、学びについて考え直す機会となりました。昨年度の私は、興味のある分野を追求するあまり、視野が狭くなっていました。しかし、人間塾での芸術鑑賞及び読書活動を通して、幅広く学ぶことの大切さを知りました。私は大学生であるという貴重な期間を活用し、自分の視野を広げるために様々な活動に取り組んでいきたいと強く感じました。

人間塾2025年度ヤングセミナー:江戸巡礼の計画

江戸巡礼の計画

午後のセッションでは、5月に開催される「江戸三十三観音巡り」で歩く道筋を全員で検討する時間が設けられました。この研修は、昨年まで小豆島の「遍路みち」を歩いてきましたが、今年は東京で観音様を祀るお寺巡りを行います。その江戸三十三観音巡りの行程を考えるという課題が仲野塾長からだされました。塾生たちは巡礼の経路を一緒に考える中で、積極的に意見を出し合い、交通機関を調べるなど、助け合う経験をしたことで、強い仲間意識が生まれました。計画の立案を通して、私は昨年の事前研修では感じられなかったグループとしての結束力が強まったように感じました。

最後のセッションでは、仲野塾長から「ネガティブ・ケイパビリティ」、すなわち答えがすぐには見つからない問いに向き合い続ける力について、お話がありました。近年の社会では、アメリカによる莫大な関税の賦課や米価の高騰など、物質的な安定が揺らいでいます。塾長は「このような時代を生き抜くためには、目に見えないものを大切にする必要がある」とおっしゃいました。物質的な豊かさを求めることが一番大切なことでなくなった時、信念や価値観などの目に見えないものが、私たちの生きる力となります。

人間塾2025年度ヤングセミナー:14期生を迎えて

14期生を迎えて

目に見えないものの例として、人間塾で重要視されている、人との「ご縁」があります。このご縁は、私たちの人生を大きく変える可能性がある一方で、それがいつ、どのような形で訪れるかを予想することはできません。だからこそ、仲野塾長は予期せぬ出会いや言葉を受け入れる姿勢が重要であると強調されました。

このセッションを聞き、私は自分を省みました。私は答えをすぐに求める傾向にあり、同時に人が話した言葉の真意を深く考えず、表面的な意味合いで受け取ることが多いと思いました。つまり、私にはまだ、本質を見抜く洞察力と困難に粘り強く向き合う力が不足しているのだと思います。これからも謙虚さを大切にしながら、ネガティブ・ケイパビリティという言葉を胸に、勉学と自己探究に励んでまいります。



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