ヤングセミナー
【レポート】人間塾2024年度第13回修了式
2025年3月18日
2025年3月9日に、人間塾の第13回終了式を挙行いたしました。今年度は、新しい修了生は5名でした。一人一人に、ここまでのストーリーがあり、乗り越えてきた山や谷がありました。また送り出す塾生たち(まだ大学卒業を迎えていない塾生)にも、感慨深いものがあったことでしょう。私からのメッセージは今回のレポーターである第12期生の永井真奈がレポートに記していますので、お読みいただければ幸いです。人間塾に集う修了生、塾生、関係者の皆様に幸多かれとお祈り申し上げております。
一年間のご愛読をありがとうございました。また4月から新年度のセミナーレポートが始まります。引き続きよろしくお願い申し上げます。
塾長・仲野好重
第12期 永井真奈
(国際基督教大学4年)
去る3月9日、第13回人間塾修了式が執り行われました。前日は季節外れの雪に見舞われ天候が心配されましたが、一転して暖かく春らしい陽気の日となりました。駆けつけてくださった役員の方々や修了生の皆様に見守られながら、今年度は私を含め5名の塾生が修了を迎えました。
はじめに、人間塾の修了生が所属する同窓会会長の落合悠人さんより、お言葉を頂戴しました。落合さんは、最近参加されたインドでのプログラムでの経験を交えながら、人間塾というご自身の立ち返る場所があることについてお話をされました。迷ったときは同窓会という共同体に集い、共に原点に立ち返ろうと、4月から新生活を迎える私たちに心強い励ましの言葉をくださいました。
つづいて、仲野塾長から式辞を頂きました。仲野塾長は、先日行われたまとめ合宿でもキーワードとなった、マリア・フォン・エブナー=エッセンバッハの「汝の意志の主たれ、しかして汝の良心の僕たれ」という言葉を紹介されました。目まぐるしく変化し、誘惑の多い社会の中で「良心の僕」であり続けることは決して容易ではありません。それでも、人間塾で学びを修めた我々は、心の灯火を燃やしながら自己の欲求を越えたところにある良心に忠実でなくてはならないのです。
修了式では、修了証書の代わりに、仲野塾長から「書」をいただきます。これは、修了する一人ひとりに向けて仲野塾長が言葉を選び、毛筆で丁寧に書いてくださる世界に一つだけの書です。5名それぞれの書に込められた想いと、これまでの時間を思い起こしながら、修了する塾生は仲野塾長からの大きな愛を受け取る時間となりました。
私は「真の道」(まことのみち)という言葉を頂きました。これは、まとめ合宿の際に私自身が決意し、この道を生きることを皆の前で分かち合った際に述べた言葉です。在塾していた2年半、私は自分のプライドを捨てられず、他者から良い評価を受けること固執し続けていました。長らく自らのその姿と向き合うことから逃げていましたが、最後の最後に大きな挫折を味わうこととなりました。「自らの人生は私の名前にある字の通り『真』のようにあるべきだ」と危機感を持ち、「真の道」という言葉が生まれました。仲野塾長から改めて書として頂いたこの言葉を、自らの人生に常に掲げながらじっくりと、しっかりと、泥臭く根を張って生きる覚悟です。
今年度は、塾生同士の結束に時間のかかる年でした。しかし、最後には塾生が互いを信じてこの人間塾という共同体に身を委ねることによって、かけがえのない仲間となることができました。それぞれに始まる新生活、進む道は違えども、我々は同じ山を登っています。心の灯火が消えそうなとき、私たちはまたこの人間塾で集い、互いの使命を確認して火を灯し合うのです。それができる仲間になれたと、今は強く感じています。
井上和子様、仲野塾長、壺井専務理事をはじめとして、人間塾に関わってくださるたくさんの方々に暖かく見守られながら、私たちは修了の日を迎えることができました。心からの感謝の気持ちでいっぱいです。それぞれが進む世界で光を灯す人となれるように、自分の能力や可能性を惜しみなく発揮しながら、一歩一歩踏みしめて生きていくことをここに誓います。