ヤングセミナー
【レポート】人間塾2024年度 韓国留学便り その5
2025年1月22日
韓国に留学中の中島継人君から、韓国留学便り第5回目が届きました。今回は韓国のお正月についての報告です。今年は日本では年末年始が9連休という企業もあり、松の内まで(1月7日)でなんとなくほろ酔い気分で過した方もおられるのではないでしょうか。元来お正月は新年を祝い、家族の絆を深め先祖への敬意を示すという行事なのだと、お隣の国から再認識させられる報告です。
また、今回の便りには紙面の都合で記載されませんでしたが、中島君は留学して始めた格闘技(ボクシング)の試合にも初挑戦しました。試合のために大きな減量幅を乗り越え、怪我もなく勝利で終えることができたそうです。ご自身も試合まで出るとは思ってもいなかったようですが、格闘技を通じて、コーチからはスポーツマンシップ精神や、課題を乗り越える姿勢、強い精神力を学んだとのことです。格闘技の話題は帰国されてからじっくり伺うことにしましょう。
では是非ご一読ください。
専務理事・壺井尚子
人間塾 第13期 中島継人
(法政大学 2年)
アニョハセヨ。セへ ボク マニ パドゥセヨ(あけましておめでとうございます)。年が明け、新年が始まりましたが皆様いかかがお過ごしでしょうか。今月号では韓国での新年の過ごし方についてご紹介させていただきます。
韓国ではお正月を祝う日に大きく分けて2つの名称があり、それぞれが特定の意味を持っています。主に「신정(シンジョン)」、「설날(ソルラル)」の2つの言葉が使われます。これらの用語は、新年を祝う時期や方法によって異なります。まずはシンジョンです。シンジョンは、新暦の1月1日を指します。これは世界的に新年として広く認識されている日で、韓国でも公休日として祝われます。日本では1月1日から3日までの3日間を三が日と呼び、多くの方がおせちやお雑煮を頂き、家族、親戚と集まり新年のお祝いをすると思います。
しかし韓国では年末年始のお休みは基本的には1月1日のみで、2日からは通常通りの日常に戻ります。また、韓国にもお雑煮のような「トックク」という料理を1月1日に頂く文化があります。薄く切った韓国のお餅「トック」を牛骨を使った透明なスープで煮込みます。
このスープには、家庭によって餃子のような「マンドゥ」を加えることもあり、他にも卵や海苔、ネギを入れて頂きます。トッククも地域によって味付けが異なるようでプサンなどの南部地方では、辛味のあるスープや海産物を使ったトッククが主流だそうです。昨年6月に廃止されましたが、それまで韓国では数え年を採用していた関係で新年になると一斉に年齢を重ね、トッククを食べると年を取ると言われていました。韓国語で年齢を重ねることを「年を食べる」と表現することがありますが、それはこのトッククに由来すると言われています。
次にソルラルです。ソルラルは、旧暦の新年の日を指します。ソルラルは家族や親戚が集まり、新年を祝う韓国の最も重要な伝統的祝日の一つです。今年は1月28日から30日までがソルラルで、この期間は多くの方がお休みや帰省をされ、首都ソウルから人が少なくなる時期と言われています。ソルラルの朝、家族は正装をして、先祖を敬うためのチャレと呼ばれる儀式を行います。お供え物や果物を祭壇に並べ、家族全員で先祖に対して最も丁寧なお辞儀、クンジョルをします。この儀式は、家族の絆を強め、先祖への敬意を示す重要なものです。
現在韓国では大統領に関する政治的な動きで非常に混乱し一部では危険な状況ですが、ソルラルの期間は少しでも落ち着きを取り戻してほしいと願います。政治に関する話を私の韓国人の友人とも多く話しますが、自国について熱を持って考えている学生が多いと思います。韓国という異国で、熱を持った学生たちと共に学べたことを感謝し、残り少ない留学期間を熱く濃い時間にしたいと思います。