ヤングセミナー
【レポート】人間塾2024年度小豆島・遍路研修(第3日目)
2024年5月8日
2024年5月5日は、お遍路研修三日目でした。塾生たちの疲れはピークを迎えつつありましたが、精神的には充実感に満たされている者たちがたくさんいました。この日は、最大の難所を越えなくてはならず、全員、心構えがあったと思いますが、実際に歩いてみると大変な経験だったと思います。しかし、この「しんどい経験」がこれからの人生にきっと活かされることがあると願います。
今回のレポーターは、第12期生の村田裕真です。
是非ご一読ください。
塾長・仲野好重
遍路研修三日目
人間塾第12期生 村田裕真
(慶應義塾大学4年)
5月5日に、遍路研修三日目を迎えました。この日が折り返しとなり、この日の終わりには、全行程のほとんどを終えます。この日は始まりから終わりまで晴れで、蒸し暑さもなく気持ちの良い天候でした。
修行の始まりは、小豆島大観音近くで始まりました。遠くからでもその姿を確認できるほど大観音は目立って見えます。
その後、島を北東の方角へと進み、海を近くに感じる道沿いに歩いていきます。晴れ渡った天気には、瀬戸内海の真っ青な色が映えます。私たちはその光景を楽しみながら、風を切って東に進みました。
この日の昼食休憩では、80番の霊場観音寺でお接待を頂きました。コシのある美味しいおうどん、疲れた体に嬉しい甘いきなこ餅、アルコールの入っていない米麹の甘酒を頂戴しました。観音寺の方々は、初めて会う私たちに対してご準備頂き、私たちの遍路の無事を祈って、お見送りくださいました。このお接待は、見返りを求めず相手のことを真に思いやる心から湧き上がってくるのではないかと思います。私もお接待をさせて頂けるような気遣いができるよう、日頃から気をつけていきたいと思います。
昼食を終え、また海沿いを少し歩いてから内陸に向かって歩いていくと、厳しい山岳霊場の始まりです。道のりの始めは道路が舗装されており、山の厳しさを感じさせない雰囲気なのですが、少し足を進めると、階段の一段ごとにおける高さが均一ではない岩が積み重ねられたような足場が続きます。
しばらく歩いてへばってきても、なかなか目的の場所までたどり着くことができません。弱音を吐きたくなる気持ちと、肉体的な疲労感と戦いながら、歩みの流れを乱さないよう足を前に出し続けます。
ようやく参拝場所であることを示す看板が見えましたが、まだそこは目的地ではありません。そこには、数百段ある階段を登った後、急斜面を鎖で登る最後の関門がありました。
私はこの光景を、人生における超えがたい壁が具現化されたものだと、想像を働かせました。困難なことであればあるほど、それを達成したときのやりがいは大きくその経験から得られることがある。そんなことを感じました。
山あり谷ありの遍路研修三日目も、皆で力を合わせて最後の目的地までたどり着きました。お接待や道端で応援をして下さる島民の方々の思いも背負って、明日の満願を必ず達成したいと思います。