ヤングセミナー
【レポート】人間塾2024年度小豆島・遍路研修(第2日目)
2024年5月7日
2024年5月4日は、実際に「遍路みち」を歩き始める日となりました。前日のオリエンテーションでは、先達の森下さんの説明をお聞きするだけでしたが、実際に歩いてみると、道のりの険しさの体験は言葉に表せないものだと思います。約11時間も遍路に出ていたのですから、塾生たちも相当疲れていると思いますが、皆、元気に戻ってきました。島の方々のお接待に心から感謝しております。
今回のレポーターは、第9期生の山本天智です。
是非ご一読ください。
塾長・仲野好重
遍路研修2日目
人間塾第9期生 山本天智
(国際医療福祉大学6年)
5月4日、いよいよ実際に歩く遍路研修が始まりました。今回は2日間半をかけて小豆島の北側を中心に歩きます。皆おそろいの白装束と笠を身につけ、金剛杖を手に歩いていきます。初日の今日は朝から晴天に恵まれ、今年度も先達の森下さんに案内をしていただき遍路道を歩いていきました。
午前中は海沿いの道を歩くことが多く、快晴の日差しに海風がとても気持ち良く感じられ、皆元気に歩いていきました。私は昨年度もお遍路研修に参加しておりますが、今年も道行く島民の皆様からはよく「頑張って」と声をかけていただき、とても温かい気持ちになるのと共に感謝の気持ちも沸いてきました。
午前中の難関は滝の宮堂に行き着く手前の山道でした。それまでのアスファルト道から自然の険しい山道へと変わり足元が不安定になっていきましたが、塾生たちはお互いに声を掛け合いながら金剛杖もうまく使いつつ乗り越えていきました。
昼食をいただいた後、午後は奥の院という山岳霊場への険しい道のりが待っていました。鎖場といわれる名物の岩場では、一本の鎖だけを頼りにゴツゴツした急斜面を登っていきます。私たちの前に小さな男の子がスイスイ登っていたので、私たちもそこから勇気をもらい皆無事に登り切りました。そしてその先の奥の院からの景色はとても素晴らしく、そこではご住職の音頭に合わせて勤行を唱えさせていただきました。
そしてこの日最後に訪れたのが宝生院というお寺です。こちらには樹齢1600年以上となる真柏の樹と呼ばれる大きなご神木が立っており、一行はその大きさや独特な形に圧倒されながらも、何か不思議なエネルギーを感じ、皆生き生きとした様子でした。
その後ご住職と共に勤行を唱えたあと、お説法をいただきました。住職は境内の壁に描かれた「阿吽の竜」について、「阿の竜は志を高く運を掴みに昇っていく姿を表し、吽の竜は志高く学んだことを世に広めるために降りてきた姿が描かれている」と説明されました。その上で私たちも、それぞれが志高く学んだことを自分だけのものにするのではなく皆に共有すればより良い世の中になっていくではないかとおっしゃいました。私は竜の迫力ある姿に少し畏怖の念を抱きながらも、自らも竜のように自分の得たものを惜しみなく分け与えられるような人間になりたいと強く願いつつ今日の全行程を終えていきました。
初日は合計22カ所、約21キロの道のりを歩きました。今回もたくさんのお接待を受け、多くの方から励ましの声をかけていただきました。皆さんの思いも背負いつつ、弘法大師と二人同行で明日以降もがんばっていきたいと思います。