ヤングセミナー
【レポート】人間塾2024年度小豆島・遍路研修(第1日目)
2024年5月6日
2024年5月3日から6日まで、人間塾恒例の、「小豆島・遍路研修」が始まります。塾生・修了生総勢で15名、そして評議員の鈴木雄介さんも参加してくださる中、先達の森下忠雄さんのお力をお借りして遍路が始まります。13期生は初めての参加となり、一体何が起こるのかドキドキだと思いますが、20歳台でこのような経験ができることは素晴らしいことだと思います。安全を祈りながら、まずはオリエンテーションを行いました。
今回のレポーターは第12期生の若林歩花です。
是非ご一読ください。
塾長・仲野好重
人間塾 第12期 若林歩花
(聖心女子大学4年)
2024年5月3日、香川県・小豆島にてお遍路研修が始まりました。
12期生の私にとって、今回が2回目の「歩き遍路」となります。昨年頂いた金剛杖とお笠を持って小豆島へ向かいました。
東京から東海道新幹線で岡山へ向かい、岡山駅でマリンライナー(瀬戸大橋線)に乗り換えて高松駅へ向かい、さらに高松港からフェリーで小豆島に到着しました。素晴らしい天候に恵まれ、土庄港の海は太陽の反射で光り輝いていました。道沿いに植えられたオリーブの木々が私達を歓迎しているようで、一年ぶりに小豆島に来たことを実感し、これから始まる合宿に胸が高鳴りました。
4日間お世話になる岡田長栄堂・大師の宿に到着してすぐに、先達の森下さんにご挨拶をしました。私が森下さんのお話の中で印象深く感じたのは、「同行二人」についてでした。この言葉は、お遍路で使用する持ち物、例えば白装束、輪袈裟、金剛杖などに必ず書かれています。これは「私とあなた」ではなく「私とお大師様(弘法大師空海)」を意味します。これから私達は、お大師様が歩いた道をその教えの元、一歩一歩踏みしめて行を務めていきます。
次に、私達はなぜ長い時間をかけて「歩く」のかについて、塾長から教えて頂きました。歩く目的は人それぞれ異なります。日常に起きた感謝の意味を込めてお遍路道を歩く人、家内安全を願って歩く人など様々です。そして人間塾においてのお遍路研修は、「自分を見つめ直す時間」でもあります。88カ所を巡るお遍路という修行は、弘法大師空海が開いた真言宗での修行が元になっていますが、この精神は、世界でもまた違う形で行われています。前回のセミナーのお話によると、巡礼路を歩く風習は日本以外の国々でも行われています。日々の慌ただしい生活から離れ、大自然の中で、日々への感謝や、人とのつながり、そして自分自身について深く考える時間は、人間にとって欠かせないもののように思います。
昨年度の私は、常に列の一番後ろを歩いていました。険しい遍路の道を歩くことは、体力的にも精神的にも辛く苦しかったからです。それでも私が歩ききることが出来たのは、間違いなく周りの人たちの存在があったからだと思います。共に歩いた塾生からの励ましの言葉やサポート、道中のお寺の方からお心づくしのお接待を受け、私は多くの人に支えられていることを強く感じました。
私は今回のお遍路を終えると初めての「満願」となります。お遍路を満願すると、その人の願い事が成就すると言われています。1200年以上続いている日本文化を、若いうちに経験できることに感謝しながら、頂いた時間を大切に、明日から始まるお遍路に臨みます。