ヤングセミナー

【レポート】人間塾2023年度第24回ヤングセミナー

2024年3月19日

2024年3月7日は、今年度最後のヤングセミナーでした。

塾生たちが一堂に会し、第24回目のセミナーに参加しました。この日は、今年の1月に急逝された人間塾理事の勝野元子様と良く語り合った言葉をもとに話しました。それは、「恩送り」という言葉です。人間塾設立時から、塾生たちに4月の早い時期に必ず伝える言葉です。今回のレポーターは第10期生の髙瀨玲也です。是非ご一読ください。

塾長・仲野好重

人間塾 第10期生 髙瀨玲也
(東京学芸大学4年)

去る3月7日、春の訪れを感じる中で、今年度最後となる第24回ヤングセミナーが開催されました。修了を控える6名にとっては、在塾生として参加できる最後のヤングセミナーでもあります。私も、この3月で人間塾を修了し、4月から社会に足を踏み出す塾生の一人です。ここで学んだ3年間にわたる様々な出来事を思い出しながら、四ツ谷にある人間塾へと向かいました。

今日のセミナーでは、仲野塾長がある言葉についてお話をしてくださいました。それは、本年1月に急逝された人間塾の理事・勝野元子様が、人間塾において大切になさっていた「恩送り」という言葉です。

人間塾2023年度ヤングセミナー:「恩送り」について考える

「恩送り」について考える

「恩送り」は、一般的に言われる「恩返し」とは異なります。後者は、恩を与えてくれた相手に対してその恩を返すことを指しますが、前者は、それにとどまることなく、見ず知らずの誰かに対しても自分の能力や可能性を惜しみなく使い、その恩を繋いでいくことを指しています。この精神が、「自分さえよければ…」という風潮に溢れた今の社会を変えていく上で、必要不可欠であることは言うまでもありません。自分が受けた親切や感謝を、無条件の愛として他の誰かにも手渡していく—この精神性は、人間塾での学びの原点でもあります。この「恩送り」の生き方をできるかどうかが、これからの時代を生きる私たち塾生に問われているのだと、つくづく実感します。

また、塾長は、その私たちが歩んでゆく道を、登山に例えて説明してくださいました。私たち塾生が山を登っていくその道筋は、人によってそれぞれ異なっています。修了を控える塾生の進路も、文化芸術、服飾・ファッション、ピアノ、教育、経営、古典文学など様々です。そして、その道の傾斜も、そこを登るスピードも人それぞれ違います。急勾配の道を駆け上がる人もいれば、緩やかな道をじっくりと進む人もいるでしょう。しかし、大切なことは、このように個性豊かな私たちであっても、目指している頂上は同じ一点であるということです。

私は4月から、教育の道に進みますが、共に社会に出る塾生が同じ頂上を目指す仲間であると思うと、非常に心強く感じます。自分の個性を活かしながら、そして「恩送り」をしながら、志を実現すべく、この登山道を歩んでいきたいと思います。

人間塾2023年度ヤングセミナー:最後のスカラーシップ

最後のスカラーシップ

私が在塾していた3年間、勝野元子様には大変お世話になりました。最後のヤングセミナーでは、その勝野様が大切になさっていた「恩送り」という言葉を通して、原点に立ち返ることができました。また、壺井専務理事が用意してくださった最後のスカラーシップを、仲野塾長から手渡しで頂き、まさに私が受けている大きな「恩」を実感しています。これから社会に出る私は、本格的に、頂いたこの恩を誰かに「送る」側に立つこととなります。惜しみない心で、そして同じ頂上を目指す仲間とともに、この「恩送り」を実践してまいります。

今年度も、私たち塾生を応援してくださった皆様に、深く感謝申し上げます。ありがとうございました。



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