ヤングセミナー
【レポート】人間塾2023年度第22回ヤングセミナー
2024年2月26日
2024年2月15日に第22回ヤングセミナーを開催しました。
今回は「まとめ合宿」の前でもあり、昨年4月からの自分自身の在り方を考える時間にしたいと思いました。久しぶりに輪になって座り、互いの語りに耳を傾ける豊かな時間になりました。
今回のレポーターは第12期生の永井真奈です。是非ご一読ください。
塾長・仲野好重
人間塾 第12期生 永井真奈
(国際基督教大学3年)
あたたかな風が吹いた2月15日、第22回ヤングセミナーが行われました。
今回のセミナーでは机を円形に設置して塾長のお話を聞き、お互いの顔を見ながら塾生同士それぞれの意見を共有しました。
今回のセミナーの最初の主題となったのは「軸」という言葉でした。塾長先生が例えに挙げられたのは、お正月に回すおもちゃの「コマ」でした。コマには軸があり、その軸を中心にコマは回転しますが、回転するエネルギーが切れてしまうと、やがて止まり、倒れてしまいます。その時、コマは倒れていますが、コマそのものの軸は失われてはいません。そして、私たちも時に、世の中の荒波に揉まれ軸を持って行動し続けることが難しくなり、倒れてしまうことがあります。しかしこのような時も、私たちは軸を失ってはおらず、もう一度立ち上がるための気持ち、再度チャレンジしようというモチベーション、すなわちエネルギーが重要になるのです。倒れた後に諦めるのではなく、もう一度やり直そうと決意する精神が大切であると、塾長は強調されました。
続いて、「勝つ」「負ける」という言葉についてお話がありました。近年の社会では、物事を「勝ち負け」や、「成功か失敗」という二元的な見方で捉える傾向が強くなっています。しかし、たとえ世間一般で負けや失敗とされていても、異なる視点から見てみると、そこには学びがあります。そして学んだことを活かしていくことで、より良い結果につながることもあるのです。一方で、勝ったと慢心していては、成長を止めることになりかねないのです。「物事をよりよくするためには、すぐに満足したり、諦めたりするのではなく、異なる角度から多角的に物事を見ることが大切である」と、塾長は仰いました。
セミナーが進んでいき、最後は「コンプレックス」という言葉が話の主題になりました。コンプレックスは劣等感と訳されることが多くありますが、実際には、「意識していないのについついこだわってしまい、自分の心や行動において平静を保てなくする言葉や事象」を指します。塾長は、「何が気になっているのかわからない時間は大変苦しいが、その原因に気づき、受け止めることができるようになると、コンプレックスではなくなる。それを克服することは可能になる」と仰いました。それを受けて、ある塾生はこの一年を振り返り、思うようにいかないこともあったが自分のコンプレックスに気が付き、これまで踏み出せなかった一歩を踏み出すことができたと話していました。
私も大学で環境研究を学ぶ中、刻一刻と悪化していく自然環境を前に、自分の無力さを感じ、倒れてしまいそうになる時があります。そのような時でも、軸を失わずにもう一度立ちあがるエネルギーを持ち、時には仲間に助けてもらいながら、回転し続けるコマのように行動し続けようと決意しました。
今回のセミナーでは、お互いの表情や目を見ながら話しあい、それぞれが今感じていることを共有できました。週末に裾野で行われるまとめ合宿に向けて、一人一人の実りや課題を振り返る時間になりました。