ヤングセミナー

【レポート】人間塾2023年度第17回ヤングセミナー

2023年12月22日

2023年12月7日にヤングセミナーを開催しました。

2日後に、毎年恒例のクリスマスディナーが開催されますので、クリスマスの意味、プレゼントの意味を、再度考える話をしました。題材として、O.ヘンリーの「賢者の贈り物」を用いましたが、ほとんどの塾生がこの名作を読んでいないことに驚きました。昨今の本離れは甚だしいですが、やはり一ページ、一ページを繰りながら、ゆっくりと読書をしてほしいと思います。

今回のレポーターは、第12期生の貞包祥汰です。
是非ご一読ください。

塾長・仲野好重

人間塾 第12期生 貞包祥汰
(東京外国語大学4年)

去る12月7日、第17回ヤングセミナーが行われました。週末にはクリスマスディナーが予定されていることもあり、O.ヘンリーの「賢者の贈り物」について塾長よりお話しいただきました。この物語は、クリスマスプレゼントを相手に贈るために、互いの宝物を手放してしまった貧しい夫婦についてのお話です。なぜこの物語は賢者の贈り物というタイトルなのでしょうか。それは、キリスト教にまつわる言い伝えに由来します。

夫のジムは、祖父の代から受け継いでいる懐中時計を宝物にしていました。妻のデラは、夫の懐中時計に付ける鎖をプレゼントとして買うために、美しい髪の毛を切り落として売ってしまいます。一方夫のジムは、デラの美しい髪のために櫛をプレゼントしようと、懐中時計を手放してしまっていました。つまり、デラが夫の懐中時計のために買った鎖も、ジムが妻の美しい髪のために買った櫛も、どちらも無駄になってしまったのです。

人間塾2023年度ヤングセミナー:熱心にメモする塾生

熱心にメモする塾生

クリスマスはキリストの誕生を祝う日とされていますが、人の世に希望を与えるキリストの誕生の際に、最初に贈り物を届けたのが東方の博士たちでした。東方の三賢者と呼ばれる一行は、星座に導かれキリストが生まれた貧しい村へと向かい、馬小屋の中で生まれたばかりのキリストと出会います。そして新たな王の誕生を確信した彼らは、携えてきた贈り物を捧げます。

「賢者の贈り物」という物語は、このエピソードを元にしていると言われています。お互いの最も大切なものを携えて、どんなに長く困難な道のりでも、愛する存在にプレゼントを贈ろうとする賢者たちの姿勢。「賢者の贈り物」は、クリスマスプレゼントの本質を的確に表現しているといわれています。

相手にプレゼントを贈る際、私たちはどのようなことを考えるでしょうか。私は、相手が一番喜ぶ物は何なのかと考えたとき、相手に喜んでほしいという自分の気持ちが先行してしまい、最も大切な相手への愛という純粋な気持ちを忘れてしまうことがあります。「賢者の贈り物」で示されていたように、最高のプレゼントとは物の価値ではなく、プレゼントするまでに相手のことを思い巡らし、相手のために行動することそのものではないでしょうか。

人間塾2023年度ヤングセミナー:真剣なまなざし

真剣なまなざし

12月9日には、クリスマスディナーが開催されます。人間塾に関係している方々が集い、あたたかく迎えていただく貴重な機会を目前に、身近な人を愛することの尊さ、そして自分自身もまた大切に思われているということを振り返りました。自分が今いる環境や周囲の人々の存在は、どれも当たり前ではないということに改めて気づかされました。感謝の気持ちを忘れずに、これからも進んでいこうという気持ちになりました。



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