ヤングセミナー
【レポート】人間塾2023年度第15回ヤングセミナー
2023年12月01日
2023年11月16日に、今年度2回目となる「お習字研修」を開催しました。
講師を快くお引き受けくださる髙橋珠翠先生のご指導の下、塾生たちは日ごろ書きなれない毛筆に挑戦しました。慣れない毛筆とは言え、塾生たちはこのお習字研修がどうやら大好きなようです。それもひとえに、髙橋先生の「誉めて書かせる」教え方で、すぐに上手になるからなのです。
今回のレポーターは、第12期生の佐々木果音です。
是非ご一読ください。
塾長・仲野好重
人間塾 第12期生 佐々木果音
(獨協大学4年)
去る11月16日、第15回ヤングセミナーが行われました。今回は7月に続いて、髙橋珠翠先生にご指導いただくお習字研修の第2回目でした。
2023年も残すところわずかとなり、お世話になった方々に日頃の感謝や新年のお祝いを伝えられるよう、塾生はそれぞれが準備した筆を手に研修に臨みました。今年度2回目の研修とあって、久々に握る筆に喜びを噛み締めるかのように、塾生の筆が滑らかに紙の上を進んでいました。はじめに葉書や封筒に宛名や住所を書く順、書く際に意識するポイントなどを学び、さらに1つ1つの字を美しく書くだけではなく、全体のバランスが大切であるとのお話も伺いました。珠翠先生は一人一人丁寧に添削してご指導くださるので、それぞれが自分の個性を活かしながら練習に励むことができました。
私は今回が初めての研修だったため、まずは自分の名前を美しくまたバランス良く書けるようになりたいと思い、繰り返し練習しました。はじめは使い慣れない筆に苦戦し、力強さの感じられない細い字を書くのがやっとでした。しかしながら、珠翠先生が筆の使い方や線の書き方を丁寧に教えてくださったことで、短い練習時間ではありましたが、研修前と比べて力強さのある字が書けるようになってきたと思います。
今日、葉書や手紙を送るという文化はパソコンやスマートフォンの普及によって影を潜めつつありますが、相手を思いながら文字を書くということには、画面の上では味わえない何か特別なものを感じます。何を書こうか、伝えたい内容をどう書いたらよいのか、と悩み、気持ちを整理しながら内容を固め、それを文字にするという時間は、相手と真剣に向き合うことを意味します。
また手書きの文字には個性があふれるため、気持ちが伝わりやすく、またあたたかみも感じられます。さらに葉書や手紙のモノとしての重みは、手元だけではなく記憶にも残るかもしれません。手で書くという機会がほとんどない今だからこそ気づくことのできるその価値を、これからも忘れないでいたいと思います。
日々の慌ただしい生活の中で、私たちには書くということに集中して手を動かす機会がほとんどありません。そのため、静けさの中で書くということに集中できた時間は日々の喧騒を忘れ、書いた字を通して自分自身と対峙する貴重なものとなりました。研修を通して学んだことや考えたことを心に刻み、葉書や手紙を送る際には、思いを込めて筆を執りたいと思います。
最後になりますが、私たち塾生をご指導くださった髙橋珠翠先生に心より感謝申し上げます。