ヤングセミナー

【レポート】人間塾2023年度第9回ヤングセミナー

2023年8月19日

2023年8月10日は、夏休み前最後のセミナーとなりました。約3週間の夏休みに入りますので、塾生たちには、人間塾の存在意義について話をしました。「善意」という言葉がこの日のキーワードでしたが、ひとり一人がそれを意識して夏を過ごしてほしいと思います。

この日は、セミナー後、塾生たちによる大掃除も行われました。
また全国の人間塾会員の方々から頂戴したお菓子や飲み物を全員で分かち合いました。この場をお借りして、ご支援下さる皆様に心から御礼を申し上げます。

今回のレポーターは第10期生の末田友太です。
是非ご一読ください。

塾長・仲野好重

人間塾 第10期生 末田友太
(東京農工大学4年)

去る8月10日、第9回ヤングセミナーが行われました。8月6日に人間塾の一大行事の1つであるシンポジウムが無事幕を閉じ、各々の役割を終えた塾生達はどこか満足気で、穏やかな様子でした。シンポジウムを終えた塾生たちを労う仲野塾長のお言葉で今回のセミナーは始まりました。

夏休み前最後のセミナーでは、夏休み期間でも人間塾の学びを忘れることなく、自己研鑽を怠らないために、人間塾とはどのような場所であるのか、人間塾の目的とはなんであるのかを改めて講義していただきました。

人間塾は、ブリヂストン創業者である石橋正二郎氏の孫、井上和子さんによって設立されました。人間塾の設立には、「世のため人のために役立ちたい」という志を持つ若者たちを、是非応援したいという井上さんの強い想いが込められています。

具体的な支援として人間塾は、人間の内面の成長を導く「人間教育」と、毎月の奨学金給付という「経済的支援」を行っています。世間では、人間塾の経済的支援ばかりが注目されがちです。しかし、人間塾の本質、人間塾が最も重きを置いているのは「志を持って生きる」ことへの教育です。

人間塾2023年度ヤングセミナー:人間塾とは

人間塾とは

人間にとって最も大切なものとはなんでしょうか。多くの人がその虜になっている「お金」でしょうか。人間にとって最も大切であるのは「その人の中身」であると仲野塾長は仰いました。いくらお金を持っていても、その人の内面、すなわち精神性が貧しければ人生は豊かなものになりません。そして、人の内面を成長させるには、それにふさわしい教育が必要です。その人間教育こそが、人間塾の一番大切にしている活動です。その活動では、塾生自身が自分と向き合い、自分に挑んでいくことが求められます。そしてその為には、心の余裕を欠かすことはできません。

しかし、学生の現状は、アルバイトなどに追われ、自分と向き合う時間だけでなく、勉学にすら十分に集中できていない場合が多いと思います。だからこそ、人間塾は人間教育をより充実させ、精神的な余裕をもたらす大切な役割を奨学金給付という形で行っているのです。この経済的支援によって、心にも生活にも余裕を持った塾生は、勉学はもちろんのこと、自分と向き合う時間、将来を思い巡らすための時間を確保することができるようになります。

このように、未来を担っていく若者の存在そのものを支援している人間塾ですが、給付される奨学金が高額なことも相まって、「本当は何か裏があるのではないか」「なにか見返りを要求されるのではないか」と世間から怪訝な目で見られることが多いそうです。仲野塾長はそのような反応を知り、大変残念に思われるそうです。

人間塾2023年度ヤングセミナー:「善意」について

「善意」について

それは単に、人間塾が正当に評価されていないことを歎いているのではありません。何の見返りや対価も求めない人間塾の「善意」を信じることができない若者に対し、塾長は嘆いているのです。近年、「ただより高いものはない」という言葉をよく耳にするようになりました。この言葉の背景には、詐欺事件などが多発している世情への注意喚起も含まれますが、「何かをしてあげたら、何かをしてもらって当然」というような貧しい考え方が世の中に蔓延していることも要因の一つと考えられます。

「本当の『善意』は見返りを求めない」と仲野塾長はきっぱりと仰いました。打算で親切をするのではなく、心からの「善意」で動ける人が増えれば、この世の中は確実に良くなっていくとお話しされました。

人間塾の、未来を担う学生を支援したいという「善意」に応えるためにも、これからも自分と向き合い精進を重ねていきたいと思います。そして、今まで人から頂いてきた「善意」を、もっと多くの人々に広げていけるような人間を目指して生きようと強く思うセミナーになりました。



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