ヤングセミナー
【レポート】人間塾2023年度第6回ヤングセミナー
2023年7月6日
去る2023年6月23日に、ヤングセミナーを開催しました。梅雨明けが待ち遠しい、すっきりしない天気でしたが、塾生たちは熱心にセミナーでの課題に取り組みました。
今回のレポーターは第10期生の末田友太です。
是非ご一読下さい。
塾長・仲野好重
人間塾 第10期生 末田友太
(東京農工大学4年)
去る6月23日、第6回ヤングセミナーが行われました。体調不良で数人の塾生が欠席になり、少し寂しさを感じる中で今回のセミナーは始まりました。
今回のヤングセミナーでは「孤独と孤立」というテーマで塾長先生はお話されました。塾長先生はお話の最初に、孤独という言葉に対する印象を塾生に尋ねました。皆様は孤独と聞いてどのようなことを思い浮かべるのでしょうか。私は独りぼっちで、どこか寂し気な様子を思い浮かべました。他の塾生たちも同様に寂しく、暗いイメージを連想したようでした。
しかしながら、塾長先生は「孤独」は人生において必要なものであると仰いました。孤独という言葉に対してネガティブな印象を抱いていた私たちは少し面喰ってしまいました。
この「孤独」は生きている限りは、人間に常について回ります。「親・友達・恋人がいるから孤独ではないです!」というような物理的な話ではありません。あなたとどれだけ親しく一緒に過ごした時間が長い人でも、あなたの事を全て心の奥底まで完全に理解してくれる人間は、あなた自身を除いてこの世に存在しません。人間は常に精神的な孤独を抱えているのです。
しかし、この事実から私たちは目を背けがちです。誰にも理解されることのない自分の心の奥底にこそ、自分の精神の本質、自己を理解するための鍵が眠っているのです。自分を深く理解し、自己と対話することで人の精神は成長していきます。「孤独」と向き合い、自身に成長を促すことができるのは、他ならぬあなた以外にはいないのです。塾長先生は「自分の人生には代役は存在しない。だから、あなたが向き合うしかない。」と塾生を鼓舞されました。
また、自分が相手に完全に理解されることがないということは、自分もまた、相手を完全に理解することはできないということでもあります。しかし、そこで諦めずに、相手の事を理解しようと努め、相手に歩み寄ろうとすることが「人とつながる」ということであると、塾長先生は仰いました。人はみな「孤独」だからこそ、自分に寄り添ってくれる人間を求め、「孤独」だからこそ人々の繋がりは生まれるのです。
一方で孤立とは、誰もが抱える「孤独」と違い、その人自身の行いで引き起こされるものです。世の中には表面上だけを取り繕い、相手に心を閉ざしたまま、人との間に壁を作る人間がいます。塾長先生は、心を閉ざしていると、周りの人の声が自分の心に入ってこなくなることで、新たな気づきや刺激を得られなくなる。その結果、自らの成長は止まってしまう可能性があると仰いました。また相手との間に壁をつくる行為は、人との繋がりをも絶ってしまいます。塾長先生は、人間は何か大切な物事を成し遂げる際には、必ず人との協力、繋がりが必要であることを強調され、孤立することの危険性を説かれました。
孤独を胸に抱きながら、自分の心の奥底と向き合うことは決して簡単なことではありません。時には目を背けたくなる、逃げ出したくなるような自分の課題に出合うことがあります。しかし、そこから逃げずに向き合い、苦しみに挑んでいく勇気・覚悟が、精神の成長には欠かすことができないのだと強く思わされるセミナーとなりました。