ヤングセミナー

【レポート】人間塾2023年度第3回ヤングセミナー

2023年5月19日

去る2023年5月11日、第3回ヤングセミナーを開催いたしました。

香川県小豆島でのお遍路研修を無事に終えて、一回り逞しくなった塾生たちに、ふたたび日常が戻ってきました。今回は、「キャリア」について話し、それに関連して「使命」についても共に考えました。

レポーターは第12期生の永井真奈です。
是非ご一読ください。

塾長・仲野好重

人間塾 第12期生 永井真奈
(国際基督教大学3年)

5月11日に第3回ヤングセミナーが行われました。5月3日から7日までのお遍路研修を終えて、数日ぶりに塾生同士が顔を合わせました。足の疲労や体調など互いを気遣いあう和やかな雰囲気の中で、セミナーは始まりました。

今回のセミナーではまず、塾生たちが一人一人お遍路研修の感想を発表しました。小豆島を4日間歩き続けるお遍路での日々を通して、自分の知らなかった一面や、現時点での問題点を見つけることができたという感想が塾生たちからあがりました。

人間塾2023年度ヤングセミナー:お遍路の感想

お遍路の感想

その後、仲野塾長は何のために「ルール」を守るのかというお話をされました。その際に、罰を避けるために、誰かに怒られないようにするために、などといった物事を穏便に済ませるために「ルール」を守ろうとするのは、未熟な態度であると仰いました。

また、物事から逃げるというようなお話に関連づけて、仲野塾長は意見の異なる相手との向き合い方についてのお話をされました。実際の人間関係において、私たちは、相手からの厳しい意見や怒りを恐れ、向き合うことから逃げてしまうことがあります。そういった時には、「叡智」をもって心を尽くし、精神を尽くして、その人に向き合うことが大切である。そのような努力の中で、自分の信念を貫きながら、相手の意思をも尊重することが可能になると教えていただきました。「叡智」とは「知恵」と同様な意味ですが、もっと深い意味を含んでいると思います。

次に、仲野塾長は「キャリア」という言葉にまつわるお話をされました。キャリアという言葉を聞いたときに「職業」「経歴」といった単語が思い浮かぶと思います。しかし、本来の“career”いう単語の意味は「生き方」や「生涯」という人生全体を指します。卒業した学校や、就職先などに留まらず、誰と出会い何を考えて来たのか、どのような体験をして変化してきたのかなど、人生で遭遇するすべての出来事がキャリアを作る構成要因になるのです。言い換えれば、生まれてから死ぬまで自分に関連するすべての要素が集まって構築されて生き方こそが、その人自身のキャリアとなると、仲野塾長は話されました。

更に、仲野塾長から私たち一人一人の「使命」についてのお話がありました。ここで、紹介されたのは“vocation”という言葉です。この言葉は日本語で、「天職、または特定の職業に神から与えられたと感じる使命感」を意味します。使命への気づき、“vocation”を見つけることは簡単ではありませんが、自分はなぜ生きているのか、そして何のために生まれてきたのかを考え続けることが、この気づきにつながるのです。

人間塾2023年度ヤングセミナー:使命について考える

使命について考える

また、この“vocation”は、自分にとって困難である場合や、損をしたように感じることが多いと塾長はおっしいました。それでもその使命を遂行するために、やりたいことだけではなく、「やらなければならないこと」に挑んでいく。それこそが人間塾で学ぶ者が持つべき姿勢なのだと、私は改めて実感しました。

今回のセミナーでは、お遍路研修を通して、それぞれの課題を見つけ始めた私達塾生に対し、大きな観点から人生全体を見ることの大切さを教えていただきました。



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