ヤングセミナー
【レポート】人間塾2023年度第1回ヤングセミナー
2023年5月2日
去る4月13日に今年度第一回目のセミナーを開催しました。入塾したばかりの12期生は、まだ「きょとん」とした表情ですが、それぞれが、だんだんと塾生らしくなっていくことと思います。
今回のレポーターは入塾3年目の第10生髙瀨玲也です。
是非ご一読ください。
塾長・仲野好重
人間塾 第10期生 髙瀨玲也
(東京学芸大学4年)
春らしい暖かさとなった4月13日、今年度第一回目のヤングセミナーが行われました。4月9日に入塾式を迎えた12期生にとっては、初めてのヤングセミナーとなります。始まるまではみな緊張した面持ちでしたが、始まるとすぐに、塾長と塾生とのやり取りを通して、全体が和やかな雰囲気となりました。
今回のセミナーで、塾長は、ある修了生Aさんが人間塾で経験した「変容」についてのお話をしてくださいました。
Aさんは在塾中、医者を志す学生として大学で学んでいました。彼女は入塾してから、彼女自身が抱える課題と向き合いながら、人間塾で学んだことの大切さや重要性を理解し、それらを自らの考え方に真摯に反映させていったそうです。そのようなAさんが描いていたのは、自分がもつ能力や可能性を、お金のためにではなく苦しむ患者さんのために使う、という立派な医者像でした。
しかしここで、塾長はAさんに一つの問いを投げかけます。「あなたは普通の医者で終わりたいのか?」――この問いの背景には、次のような塾長の思惑がありました。
“Aさんが描く医者像は立派なものだが、どこか一般的であり、Aさんらしいものではない。Aさんは、もっと高次の段階に進むことができる”という思惑でした。結果としてAさんは、その後の塾長面談などを通して、苦しみながらも今の自分からさらに一歩踏み出すことを決意し、一回りも二回りも大きく成長されたそうです。
このような、人間の「質的な変化や充実」、それこそが、私たち塾生が人間塾での学びの中で目指すべき「変容」であると、塾長は仰いました。人によってその内容は様々ですが、この「変容」の経験を通して、私たちは人間としての土台となる価値観を定め、物事への向き合い方を身に付けることができるのです。
そしてこの「変容」には、Aさんがそうであったように、「今の自分から一歩踏み出す」という大きな苦労が伴います。よって、現状の課題を分析しているだけでの“評論家”では太刀打ちすることなどできません。目の前の課題を先送りにすることなく、覚悟を決めて「一歩踏み出す」ために、私たちは自分自身の心に火を灯し続けなければならないのです。
私は現在、入塾してから3年目を迎えていますが、いまだに「一歩踏み出す」ことに躊躇する場面があります。「意志」という私の心の炎が消えかけている瞬間です。しかし、人間としての「変容」を得るために、その心に空気を送り、火を灯し続けなければならないのだと強く実感します。
また同時に、人間塾という場所が、私の心に空気を送る手助けをしてくれる存在であるということも実感しています。ありがたいことに、私は日頃から多くの方々に支えていただいています。その支えをエネルギーに変えて、私も勇気をもって「一歩踏み出」そうと思います。
第一回目のセミナーは、人間塾で学ぶことの意義や価値を実感する機会となりました。今年度も塾生として、日々努力を重ねてまいります。
セミナー終了後、専務理事である壺井さんのお誕生日をお祝いしました。壺井さん、お誕生日おめでとうございます!