ヤングセミナー

【レポート】人間塾2023年度第11回シンポジウム

2023年8月18日

2023年8月6日に、塾生たちが主催するシンポジウムが開催されました。

このシンポジウムも、早いもので、第11回を迎えます。塾生たちと暗中模索で第1回を開催した日のことが懐かしく思い出されました。

またこの日は、くしくも、広島に原子爆弾が投下された日です。今なお深い悲しみの中で生きている方々が沢山おられることに思いを巡らせ、この日のシンポジウムに臨みました。

レポーターは、第10期生の髙瀨玲也です。
是非ご一読ください。

塾長・仲野好重

人間塾 第10期生 髙瀨玲也
(東京学芸大学4年)

夏らしい暑さとなった8月6日、人間塾第11回シンポジウムが開催されました。このシンポジウムは、私たち塾生の人間塾での学びを塾外にも広めるべく、学生などを対象として開催されているものです。11回目となる今回は、「新時代をどう生きる?〜これからの社会を導くあなたへ〜」というテーマのもと、仲野塾長による公開セミナー形式での開催となりました。

テーマにもなっている「新時代」とは、いったいどのような時代でしょうか。そして私たちは、その「新時代」をどのように生きるべきなのでしょうか。先行き不透明な社会を生きる私たちにとって、これは考えるべき問いであるとの思いから、このテーマが設定されました。私自身も、シンポジウム当日を迎えるまで、この問いについて何度も考えを巡らせました。

仲野塾長による公開セミナーは、「平和への誓い」についてのお話から始まりました。シンポジウムが開催された2023年8月6日は、広島に原子爆弾が投下されてちょうど78年目の日でした。広島で行われたその平和記念式典で、2人の小学生が読み上げた「平和への誓い」を塾長は冒頭で紹介されました。子どもたちは訴えます。「みなさんにとって『平和』とは何ですか。争いや戦争がないこと。差別をせず、違いを認め合うこと。悪口を言ったり、けんかをしたりせず、みんなが笑顔になれること・・・」

この「平和への誓い」で語られた子どもたちの言葉を受けて、仲野塾長は私たちにこう問いかけました。「原爆が落とされて78年経ってもまだ戦争を、差別を、けんかをしているではないか。みんなが笑顔にはまだなっていない。しかし、そのような現実があなたたちの生きなければならない『新しい時代』の土台にあるのです」と。

人間塾第11回シンポジウム:公開セミナーの様子

公開セミナーの様子

私は、このお話を聞き、どこかこの「新しい時代」の現状を楽観視している自分がいたことに気付きました。私のすぐそばには戦争はありません。しかし、たとえ自分のそばに戦争がなくとも、世界には戦争で苦しむ人々が存在します。身近なところにも、多くの差別やけんかが存在します。まわりに目を向け、社会の出来事にアンテナを張り、自分は何をすべきかを常に問い続けることの大切さを痛感した瞬間でした。

また、子どもたちの「平和への誓い」には、次のような一節があります。「私たちにもできることがあります。(中略)みんなの笑顔のために自分の力を使うこと」これは、まさに人間塾で私たちが学んでいる生き方そのものです。塾長は、「知ったからには、知った者としての義務がある」と仰いました。社会や人々の現状を一度知ったのであれば、その社会がよりよくなるように、そこに生きるみんなが笑顔になれるように、自分の力を惜しみなく使わなければならないのです。

私は大学で教育学を専攻しており、「教育を通して社会をよりよくする」という志をもっていますが、これは教育について学んだ、すなわち知った者としての義務でもあるのだと思います。自分の人生を生きる主人公として、かつ社会を支える一本の柱として、この義務を遂行していこうと思います。

人間塾第11回シンポジウム:打ち解ける塾生と参加者

打ち解ける塾生と参加者

公開セミナーの後には、参加者と仲野塾長との質疑応答が行われました。セミナーに対する感想や疑問を伝えたり、自身の経験やそこでの苦悩を吐露したりする様々な学生の姿が見られました。質問者と塾長との間で活発なやり取りがなされ、参加者はそれぞれ、自分が新時代をどう生きるかというテーマについて、真剣に考えている様子でした。

「新時代」を生き、創り、よりよく変化させていくのは、私たち一人ひとりです。「どう生きるか」という問いに対する答えを見つけることは簡単ではありませんが、だからこそ自分の人生の舵取りを、他でもない自分自身で、全力で行っていきたいと強く思います。

今回のシンポジウムでは、仲野塾長によるセミナーを通して、参加者の皆さんとともに、新時代の生き方について真剣に考えることができました。シンポジウムの開催にあたって協力していただいた方々に対し、この場をお借りして心より感謝申し上げます。ありがとうございました。



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