ヤングセミナー
【レポート】人間塾2023年度 人間塾まとめ合宿 第一日目
2024年2月29日
去る2024年2月17日~18日の一泊二日で、静岡県裾野市にある研修施設で、まとめ合宿を行いました。
各塾生がこの一年を振り返り、自らの学びをより深く理解し、課題を見つけ、それらを乗り越えていく決意を固める合宿です。一人ひとりの塾生が真摯な姿勢で考え、語り、黙し、振り返りを行いました。共に歩んできた彼らを見つめながら、本当に成長と変化を感じる合宿でした。
今回のレポーターは、第11期生の橋沼黎です。是非ご一読ください。
塾長・仲野好重
まとめ合宿1日目
人間塾 第11期生橋沼 黎
(東京音楽大学4年)
2月17日、塾生一人ひとりが一年の振り返りをする、「まとめ合宿」が行われました。
静岡県裾野市の研修施設にて合宿は行われ、この日は合宿の1日目でした。ここ裾野は富士山の文字通り裾野での合宿です。普段の環境とは異なる大自然の中で学びを深めることができます。
最初のセッション(授業)では、この合宿を通して自分自身が考えを深めるテーマを共有し合いました。この一年間のまとめをしたい人もいれば、今の自分を見つめたい人もいたり、自身のこれからを考えたい人もいたりと様々でした。そして、この合宿を通して、現在の自分自身を正直に見つめることを共通の目標として最初のセッションが終わりました。
次のセッションでは、国際社会の中で生きる自分の在り方について考えました。学校や家庭、アルバイト先や、寮や下宿などの多様な社会の中で生きている私たちに、「国際社会の中で生きているという自覚はあるのでしょうか?」と問いが投げかけられました。
私たちの生活の様々な側面にも、国際情勢の変化による影響は大なり小なり存在しています。そして、私たちの将来の職業にも、多かれ少なかれ「国際社会」は結びついています。そこで、地に足をつけて懸命に生きながらも、国際社会への視野を持ち続けるという「Think globaly, Act localy」の精神を学びました。その学びの中から私は、国際社会の中で生きるためには、ただ個人として生きるのではなく、アジアに生まれ育った日本人として社会に向き合う、という視点を持っていなければならないことを再認識しました。私の場合、日本にいながら西洋音楽を学んでいるのですから、日本人としての西洋音楽への向き合い方を絶えず考え、向き合い続けなければなりません。
今回の合宿では、仲野塾長のインプット(レクチャーや講話)に加えて、塾生同士で意見を出し合うセッションも行われました。そのセッションでは、「覚悟」というテーマで意見を出し合いました。「腹をくくること」「覚悟には準備が必要か」「軸がブレないこと」などの様々な意見が出ました。そこで、「決心」と「覚悟」は何が違うのか?と話が進みました。そんな中、仲野塾長は「決心」と「覚悟」の違いについて、スカイダイビングを例にお話されましたのでご紹介いたします。
「決心」とは、スカイダイビングでいうところの、空を飛びたいと思い、空を飛ぶためにはどのような準備をすべきかじっくり考え、飛ぶことを決めるまでのことを指します。一方、「覚悟」は装備を付けて飛行機の開閉口から足を離す瞬間以降のことを指しています。飛ぶ瞬間までは、飛ぶことへの恐怖や緊張感などは確かにあります。しかし足を離した後と、それとが決定的に異なるのは、「後戻りできるかできないか」ということです。私の周りでもよく、「死ぬ気で〇〇しろ」という言葉が使われますが、覚悟とは、そのように背水の陣で後戻りできないくらいの強い決意を指すのだと思います。
夕食後、塾生は一日目の最終セッションで各々の覚悟を共有し合いました。すでに確固たる覚悟の決まっている人、まだ決心で留まっていると感じている人、まだ模索している人など様々でした。今回の覚悟の共有を糧に、塾生が各々の人生で逞しく生きていくことを私は祈ります。
今回は最終セッションの前に、「場所・匂い」から思い出される過去の想い出や出来事を、塾長と塾生で共有し合うセッションもありました。この日一日を通して、各セッションが何よりも良い空間だったと私が感じたのは、皆が今の自分の正直な気持ちをぶつけ合ったことです。全く異なる分野の専攻に所属する塾生が、お互いに覚悟を共有し合い、背中を押し合う姿は大変美しく見えました。
人間塾での一年間の学びを深めると共に、塾生同士の信頼や絆が深まったことに、心から喜びを感じることのできるまとめ合宿一日目でした。