ヤングセミナー
【レポート】人間塾2023年度小豆島・遍路研修(第4日目)
2023年5月8日
2023年5月6日は一番長い行程を歩く日です。今まで通り、山あり谷ありの遍路道となりますが、塾生一同、皆元気に過ごしています。大自然に抱かれながら一歩一歩を繰り出す経験と、仲間との助け合い、励まし合いは、一生忘れない青春の思い出となることでしょう。
今回のレポーターは第12期生の貞包祥汰です。
是非ご一読ください。
塾長・仲野好重
人間塾 第12期生 貞包祥汰
(東京外国語大学4年)
5月6日、歩き遍路3日目のこの日は小豆島八十八ヶ所霊場の内、十五ヶ所をめぐりました。最も厳しい道のりとなる今日、険しい山道の行程に雨天の予報も重なり、塾生の表情には緊張の色が見えました。
三都半島の先端にある薬師寺にはじまり、明王寺に至るまでの道のりは、小高い山々と豊かな森林に囲まれた美しい自然の遍路道でした。重要文化財に指定されている明王寺などの歴史的な建造物、そして人々の暮らしが混ざり合うような風景が広がっていました。三日間の疲労が少しずつ蓄積されてきていましたが、小豆島の美しい風景と札所での沢山の方々のあたたかなお接待に疲れが癒されました。
この日の行程では、仏谷山と西の瀧という2つの山岳霊場を巡りました。仏谷山では、石を削ってできた洞窟の中で参拝を行いました。ご住職はたくさんのことをお話ししてくださいましたが、その中でも特に印象に残ったのは、過去に生きるのではなく今を生きることの重要性でした。人間は日常生活の多くの時間を過去について考えることに使っているとご住職は仰いました。実際に厳しい山中の道のりでも、私の頭の中には過去の後悔や失敗などの雑念が浮かんできました。しかしそのような状態では自分の人生に真の意味で向き合うことはできないと思います。常に現在の事柄に集中し、過去の因果に縛られることなく主体的な選択を行っていくことが大切なのだということに気付くことができました。
またお遍路でほかの塾生との対話を通し、これまでの大学生活の中では得ることが難しかった人との繋がりの大切さを久しぶりに体感しました。これからこの人間塾という場所で自分の人生の軸となるものを発見し、新たな一歩を踏み出すことができるよう、全力で邁進していこうと決意を新たにしました。
最後に訪れた明王寺のご住職は、以前の人間塾のお遍路研修で訪れた時のことを覚えていらっしゃいました。多くの札所であたたかなお出迎えをしていただいたことで、こうしてお遍路を巡ることができるのも当たり前のことではないと思います。
四年振りの実施となっても切れることの無いかけがえのないつながりに感銘を受けました。またあわせて、多くの人に支えられながら明日最後の一日を迎えることができることへの感謝の気持ちを感じています。