ヤングセミナー
【レポート】人間塾2023年度小豆島・遍路研修(第3日目)
2023年5月7日
2023年5月5日、塾生たちは、歩き遍路の2日目に挑戦しました。少し足に疲れはあるものの、みんな元気な様子です。よく食べ、よく歩き、最後まで歩き通してほしいと願います。
今回のレポーターは、第12期生の佐々木果音です。
是非ご一読下さい。
塾長・仲野好重
人間塾 第12期生 佐々木果音
(獨協大学4年)
好天に恵まれた5月5日、私たちは3日目のお遍路研修に臨みました。遍路道を歩くのは2日目とあって、前日に比べてみな肩の力が抜けてきていたように思います。
朝、長栄堂にてお礼の勤行を終えて、私たちは寒霞渓(かんかけい)に行きました。朝日がまばゆく、空気はさわやかで気持ちがよく、心まで洗われるかのような清々しさがあり、私たちを遍路道へと誘っているかのようでした。お遍路に少しずつ慣れてきたこともあり、霊場での勤行にも、少しずつ力が込められてきて、お参りしたお寺の住職の方からは2日目とは思えないとも言っていただきました。私自身も前日には恐る恐る唱えていた言葉が、段々と自分の言葉として発せるようになってきました。また寺中に広がる線香がどこか心地よく感じられ、言葉を追うだけではなく、場の空気を味わうことができるようになってきたと思います。
お昼には大師堂にて「お接待」の「うどん」をいただきました。うどんは小豆島のオリーブオイルをかけていただいたのですが、香りが高くとても新鮮でした。うどんも大変美味しく、塾生の箸を持つ手は止まる時を知らず、用意していただいたうどんを全て平らげてしまいました。木庄(きのしょう)の地域の皆様のお心づくしのお接待に心から感謝を申し上げます。また、用意していただいたオリーブオイルは、先達の森下さんがご自身で育て、絞られたもので、午前中のお遍路を終えた私たちの身体に沁みわたりました。
お食事のあとには、壺井栄の『二十四の瞳』の紙芝居を見せていただきました。この物語は、1人の女性教師と12人の小学生の絆を描きながら、第二次世界大戦に翻弄されていく様子を通じて、戦争の悲惨さを伝えています。紙芝居をしてくださった方々が、とても心を込めてお話してくださったので、心が揺さぶられて涙してしまった塾生もいました。私もこんなにも心が込められた紙芝居は初めてで、最初から最後まで見入ってしまいました。私たち塾生のために、今日の日に備えて紙芝居の練習をしてくださったとお聞きし、こんなにも私たちのことを思って下さるのかと深く心を打たれました。また、ここでの経験を研修に留めるのではなく、自分の生き方にしっかりと反映させていかなければと思いました。
お遍路を通して私は、塾長先生、壺井さんをはじめ、長栄堂の方々、先達の森下さん、お接待をして下さる方々の支えがあって、私たちが充実した一日を過ごすことができていると改めて感じました。またお遍路だけでなく、私たちの日常はたくさんの方の支えがあってこそのものなのだと気づくと共に、その支えに応えたいという気持ちが湧いてきました。
私には自分を過小評価してしまう傾向があり、これが自分の行動を制限したり、自信を失って諦めたりしてしまうことが多くあります。しかしながら、たくさんの方々が私を支えてくださっていることに気付いた今、このままではいけないと強く感じます。研修が終わっても、ここで感じた気持ちを忘れずに、精進したいと思います。