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【レポート】人間塾2023年度クリスマスディナーの夕べ
2023年12月23日
2023年12月9日に、毎年恒例の「人間塾クリスマスディナーの夕べ」を開催いたしました。55名の参加者が一堂に集い、食卓を共にし、大いに語り、親交を温める機会となりました。
今年は、人間塾合唱団の結成が時間的に間に合いませんでしたので、塾長が短い朗読劇を書き下ろしました。第一次世界大戦中、奇跡の休戦が起こった1914年12月24日に時を戻してのお話を書きました。私たちが当たり前のように頂いている日々の生活、食事、友達、安全、平和・・・。今一度心に深く思いをいたし、当たり前ではないことを覚えておかなくてはなりません。
今回のレポーターは第12期生の伊藤壮司です。
ご一読ください。
塾長・仲野好重
人間塾 第12期生 伊藤壮司
(千葉大学2年)
去る12月9日の18時より、ホテル・ニューオータニにて「クリスマスディナーの夕べ」が開催されました。このクリスマスディナーは、塾生や人間塾の役員の他、ゲストの方々や修了生が一同に会して夕食を共にする毎年恒例の行事です。
今年度のクリスマスディナーでは、まず仲野塾長による参加者の紹介から始まりました。時に笑いを誘いながら一人一人の個性を的確に捉えた紹介は、会場に漂っていた緊張感を和らげました。また、ひとり一人の紹介があったお陰で、その後のお食事の際に話が弾むきっかけとなりました。
紹介が終わった後は、大内葉子様が、カッチーニ作曲の『アヴェ・マリア』を歌ってくださいました。ピアノ伴奏は、第11期生の橋沼黎さんでした。美しいピアノの旋律と、力強く、それでいて繊細な大内様の歌声との調和に、私は素晴らしいという言葉では言い表せないほどの強い感動を覚えました。
人間塾第3期生の小関友理さんから乾杯のご挨拶をいただいた後、お食事が始まりました。今年度のクリスマスディナーでは、クラシックなフランス料理のフルコースが振る舞われました。料理長を務めてくださった湯浅シェフから一品一品ご説明をいただいた後、参加者の方々は皆お料理に舌鼓を打ち、同じテーブルに座っている人達との会話を楽しんでいました。このクリスマスディナーでは、一つのテーブルに何らかの共通点を持った人が集まる様に配席が行われています。そのため話が大いに弾み、時にその中で新しい気づきを得ながら、皆楽しくかつ濃密な一時を過ごすことができました。
お食事が終わると、仲野塾長がこのクリスマスディナーのために書き下ろしてくださった朗読劇を、生田夏子さんが朗読してくださいました。ピアノ伴奏は先ほどと同じく、第11期生の橋沼黎さんでした。朗読劇の題名は『塹壕の中のクリスマス』です。およそ100年前の1914年、第一次世界大戦が激しさを増し始めた時、前線で実際に起きた「クリスマス休戦」を基にした朗読劇でした。劇の最後に、クリスマス休戦のきっかけとなった「きよしこの夜」を皆で歌いました。
ある一つの歌がきっかけとなり、自然と戦争が一時的に収まった109年前のクリスマスに私は思いを馳せ、戦争のない平和な世界が生まれることを切に願いました。今もまだ戦争は世界各地で起きており、この瞬間も多くの人が戦争の惨禍に苦しんでいます。今こそこのクリスマス休戦が示唆している人間の良心を信じ、私達一人一人が戦争を無くすにはどうすれば良いのか、常に考えて実践しなければならないと強く感じました。
最後に、参加者全員でクリスマスプレゼントの交換会が行われました。プレゼントを選ぶ基準は、「選んだ人らしさがあり、そして誰が受け取っても喜ばれそうなもの」でした。クリスマスは本来、自分の大事なものを犠牲にしてでも相手のことを考え、思いやり、愛することを象徴しています。塾長は以前「限られた時間を存分に使って、何を贈ったら相手は喜ぶだろうかと考えることに、クリスマスプレゼントの意義はある」と仰いました。実際に相手のことを考えてプレゼントを選び、自分が頂いたプレゼントに込められたその人の思いに触れる体験をしました。そして、このプレゼント交換の意義が持つ素晴らしさを身に染みて感じた機会となりました。個性と思いやりが溢れるクリスマスプレゼントに会場が喜びと温もりに包まれた後、名残惜しい中、クリスマスディナーは閉会となりました。
コロナ禍が一定の収束を見せたこともあり、今年度はこれまでよりも更に人と人との距離が近づいたクリスマスディナーになったと聞きました。出身も経歴も年齢も異なるたくさんの方々とお食事を共にできた素晴らしいご縁を感じ、このクリスマスディナーに向けて準備を重ねてくださった方々に心から感謝を申し上げます。この感謝の気持ちを胸に、これからも精進して参ります。