ヤングセミナー

【レポート】人間塾2022年度第24回ヤングセミナー

2023年3月17日

去る2023年3月9日に、今年度最後のヤングセミナーを開催いたしました。1年間、様々なことに思いを巡らせて学んできました。

このセミナーを以って、人間塾を修了する者が7名おります。残すは修了式のみとなりました。彼らの顔を眺めながら、一緒に過ごした日々を思い出しながら、私もセミナーに臨みました。

レポーターは、4月から研修医として勤務する第7期生の藤原涼香です。
是非ご一読ください。

塾長・仲野好重

人間塾 第7期生 藤原涼香
(東京慈恵会医科大学6年)

去る3月9日、本年度最後のヤングセミナーが行われました。本年度で人間塾を修了する私にとって、塾生最後のセミナーです。人間塾で過ごした日々を思い返しながら、この日のセミナーに参加しました。

今回のセミナーは、「今季を1分間でまとめて発表してください」という言葉から始まりました。各々が1年間の学びを振り返り、自身の変化を述べる塾生もいれば、克服できなかった課題、来年度への決意を述べる塾生もいました。

人間塾2022年度ヤングセミナー:1年を振り返って

1年を振り返って

私は、「この1年間は険しい道のりが続いていた」と振り返りました。塾長面談では塾生としての在り方を厳しくご指導いただくことが多く、自分には何が足りていないのかを模索する日々でした。しかし、険しい道のりのなかで自分自身の内面を真剣に見つめたからこそ、簡単には揺らがない覚悟を決めることができたのだと思います。

塾生の言葉を受け、塾長は「人間塾での日々は、塾長と戦っていたのではありません。塾長は、あなた自身が自分と戦うところに連れて行っただけなのです」とおっしゃいました。塾長は、あえて厳しい言葉で塾生の心を揺さぶり、心を覆う鎧を剥がします。鎧がなくなって、最後に残ったものこそがありのままの自分なのです。

ありのままの自分を受け入れることは困難を伴い、時には逃げ出したくなります。「自分を見つめ、弱さを乗り越えようと戦った人は、厳しい社会の中でも負けないでいられるのです」と、塾長は熱く語られました。

人間塾2022年度ヤングセミナー:最後のスカラーシップ

最後のスカラーシップ

次に、キリスト教の四旬節(Lent)について学びました。四旬節とは、キリスト復活前の40日間を指す言葉です。この40日間は、十字架に架けられたキリストの苦難を想い、質素に生きる期間とされています。

塾長は、“ Be poor ” とはどのような意味かを塾生に問われました。一般的に「貧しい」という言葉は物質的な不足を表しますが、“ Be poor ” の「貧しさ」は精神的なものです。

人に対して何かを差し出すと物質的には貧しくなるように見えるけれど、人と分かち合うことで、実は心は豊かになるのだと教えていただきました。

塾長は、資本主義社会の中で、心豊かに生きるためには、「貧しく生きる」という概念が必要なのだとおっしゃいました。経済至上主義、効率主義は、物質的な豊かさを生みますが、「自分だけが豊かになればいい」という精神では、心は貧しいままです。「互いに譲り合い、補い合う」という人間同士の関係があってはじめて、豊かな社会がつくられるのだと学びました。

私は、この言葉を聞いて、小学校での「おにぎり献金」という行事を思い出しました。その日のお弁当はおにぎりだけにして、おかずにかかるはずのお金は誰かに寄付するという行事です。自分が食べるご飯は質素なものになりますが、不思議と心は満たされていたことが今でも記憶に残っています。

自分一人で生きるのではなく、社会の人と分かち合いながら生きること。人生を豊かに生きるために、本当に大切なことを改めて思い出したセミナーとなりました。

セミナー終了後、塾生皆で年度終わりの大掃除を行いました。5年間お世話になった場所に感謝の気持ちを込めて掃除に取り組みました。

今年度も私たち塾生を育て、応援してくださった皆様に、心よりお礼申し上げます。



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