ヤングセミナー
【レポート】人間塾2022年度第19回ヤングセミナー
2022年12月29日
2022年12月22日に、年内最後のヤングセミナーを開催しました。
「目に見えないものの大切さ」について話しましたが、それを十分に理解できない若者たちもおります。昨今は、物質的、功利的、効率的という考え方が闊歩しているように感じますが、目に見えないものの中に本当に大切な真実が見え隠れしていることに気づいてほしいと切に願います。
今回のレポーターは第10期生の末田友太です。
是非ご一読ください。
そして2022年も、人間塾をご支援下さり、ありがとうございました。
来る年が、皆様にとりまして、平和で豊かな一年となりますよう、心からお祈り申し上げます。
塾長・仲野好重
人間塾 第10期生 末田友太
(東京農工大学3年)
去る12月22日に第19回ヤングセミナーが行われました。
早くも年内最後のセミナーとなりました。
今年度は修了予定(卒業予定)の塾生が多くいます。しかし、人間塾では修了式のその日まで、本当に修了できるかは分かりません。人間塾を修了できるかどうかは、塾長先生が修了式寸前まで観察し、熟考し、その判断を下すのです。年内最後ということで、少し慌ただしく、人間塾のことがどこか上の空になっていた塾生たちに対しての、塾長先生の叱咤激励から今回のセミナーは始まりました。修了予定だからといい、気が抜けていた塾生も、「喝」を入れられ、気が引き締まった様子でした。
塾生が新たに気を入れ直した所で、次に塾長先生は、人が何かを決断する際に重要になる要素についてお話されました。
塾長先生は今までの人生の中で、沢山の大きな決断をされてきました。そのお話を交えながら、塾長先生は決断の際に「目に見えないものを信じて飛び込む覚悟」が重要であると仰いました。塾長先生がそのように話した時、ある塾生は「何かの決断に迫られたとき、色々な選択肢がよぎり、迷うことが多い」といいました。それに対して、塾長先生は「理屈よりも直感が大事です」と答えました。
「直感」、それは正に「目に見えないもの」です。理屈や、データなどの「目に見えるもの」はもちろん重要です。しかし、その人の様々な経験により磨かれてきた直感、経験の積み重ねの結果研ぎ澄まされる感覚はそれを凌駕する、と塾長先生は説かれました。もちろん、磨かれていない直感は使い物になりません。直感を研ぎ澄ますには多くを経験し、自分という人間に「厚み」を持たせる必要があります。そのためには教養が必要であると塾長先生は仰いました。
次に塾長先生は教養の本質についてお話されました。上で述べたように、自分の中味に「厚み」を持たせるためには教養が必要です。では、教養は、まずどこから身につけていけばよいのでしょうか。
そのような疑問を塾生たちが抱いた時、塾長先生は「教養の源泉は、私たちをとりまく文化である。日本で生きているならば、日本文化が大切である」と言われました。近頃、学生の間では海外留学などが当たり前のこととして行われています。しかしながら、自国に対する知識もない人間が、世界に飛び出たところで、その人は何を自分のアイデンティティとして、世界に提示するのでしょうか。
私たちが海外に出た際に、私たちのアイデンティティの根源は、私たちが普段生きている日本特有の文化や、それに対する知識です。海外ばかりに憧れ、自国の文化に触れることを疎かにする傾向がある今の若者に対して、塾長先生は自国を良く知る、勉強することの重要性を説かれました。
今回のセミナーでは「目に見えないもの」という言葉が強調されていました。「目に見えないもの」を信じることは簡単ではありません。なぜなら、実際にそれが存在するのかを確認するすべはとても少ないからです。常に不安と戦わなければなりません。しかし、だからこそ、その不安に打ち勝ち、信じきることができた暁には、何か大きく、大切なものを得ることができるのだと、私は思いました。
また、今年も人間塾を支えてくださる様々な方から年末のプレゼントを頂きました。プレゼントを贈って下さった方々は、私たちが日々どのようなことをして、どのように成長しているのか、その全てをご存知というわけではありません。いつも人間塾を支援していただいている方々からすると、私たち塾生もまた「目に見えない存在」です。「目に見えない存在」であるにも関わらず、私たち塾生を信じて、常に支援していただいているのです。この思いに応えるべく、これからも人間塾での活動をしっかりと頑張っていこうと強く決意しました。