ヤングセミナー

【レポート】人間塾2022年度第8回ヤングセミナー

2022年7月26日

2022年7月14日に、第8回ヤングセミナーを開催しました。
心が騒がしくなるような出来事が頻発する社会にあって、自分を見失わず、軸を持って生きることの大切さを話しました。

今回のレポーターは、第11期生の橋沼黎です。
是非ご一読ください。

塾長・仲野好重

人間塾 第11期生 橋沼黎
(東京音楽大学3年)

去る7月14日、第8回ヤングセミナーが行われました。

先日7月8日、安倍元首相の不条理な死について考えるところから今回のセミナーは始まりました。

塾長は最初に、今回の容疑者の行動に対して「憎しみ・恨みの移し替え」と一言仰いました。怒りの対象が自分の手の届かない場所にある時、人は手近な人間にその怒りの矛先を向けることがあります。その時、自分に都合良く物事を解釈し、自分が納得できる理由を挙げて自らを正当化します。その結果、今回のような事件が起きたと考えると、非常に残念です。

人間塾2022年度ヤングセミナー:お菓子を頂きました

お菓子を頂きました

また、最近では特に、コロナ禍や円安、ウクライナでの戦争が要因となって私達の生活に影響を与えています。しかしこの様に、次々に悲惨なニュースが飛び交う中、塾長は「その中でも国が崩れないのは、国の根幹が守られているから」と仰いました。この思考の転換こそが、今の時代を生きる我々にとって大切なことだと思いました。

そして、日々の当たり前と思っている生活が守られていることに感謝しなければならないと改めて感じました。

その後、セミナーは「質の高い読書」というテーマに移りました。私たちは普段読書をする時、できるだけ沢山の本をできる限り早く読もうと、どこかで思い込んでいるのではないでしょうか?

「質の高い読書」とは、その本と正面から対峙し、あるページや文章で立ち止まり思考を巡らせ、時折戻って読み返すようなゆっくりとしたペースの読書です。一冊の本の中で、読み手の思考を促す特別な一文は、人それぞれ異なります。そして、その一文から生み出される疑問や発見によって、私たちはさらに思考を深めていき、新たな知識や思考に出会い、徐々に自分の「思索」の体系が作られていきます。これを塾長は「自分自身の知の体系」と仰いました。

じっくり深く考えながら質の高い読書をすることは、必然的に沢山の時間を要することになります。だからこそ、私たちは「何を読むか」が非常に大切です。そこで、塾長は「自分が読むべき本を選んでおきなさい」と仰いました。自分が単に読みたい本を手に取るのではなく、自分にとって読まなければならない本を選ぶ、という塾長の考えは私にとって大きな思考の転換でした。

人間塾2022年度ヤングセミナー:セミナー後ひと息

セミナー後ひと息

最後に塾長は、読書と旅行は非常に似ているというお話をされました。旅行は、それぞれの土地に根付いた文化や習慣の一つ一つを、良い面だけでなく悪い面も含め、全てを肌で感じることが大切です。そのため、時間をかけてじっくりとその土地を理解する必要があります。量より質であるという点で、読書も旅行も、その背景や根底にある秘められた部分を知ることが醍醐味だと感じました。

今回は、様々な角度や視点からものごとを捉え、深く考えるきっかけとなったセミナーでした。日常生活を送っていると、情や雰囲気に流され「質」についての意識が疎かになりがちですが、今回のセミナーを機に、自分にとっての「質」を見つめ直してみようと思います。



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