ヤングセミナー
【レポート】人間塾2022年度第6回ヤングセミナー
2022年6月30日
6月23日は、今年度一回目の書道研修でした。高橋珠翠先生をお招きし、筆ペンの講習会をお願いいたしました。
塾生たちは個性豊かな文字を書きますが、古来からの流儀にのっとって、書き順、「はらい」や「とめ」など、正しく文字を書くことは習得してほしいと考えています。またあらたまった場所では、いまだに芳名帳に自分の名を筆で書く習慣が大切にされています。そのような今後の人生体験においても役立つようにと願っています。まずは、今年の暑中見舞いに塾生たちはチャレンジすることと期待しています。
今回のレポーターは、第11期生の宇山飛鳥です。
是非ご一読ください。
塾長・仲野好重
人間塾 第11期生 宇山飛鳥
(東京大学2年)
去る6月23日に、第6回ヤングセミナーが行われました。今回のセミナーは今年度初めての書道研修で、私たち塾生は髙橋珠翠先生にご指導していただきました。珠翠先生は「人間塾」の毛筆のロゴを書いてくださった方です。年に2回の書道研修において塾生をご指導くださいます。
今回は、筆ペンを使用しての書道研修でした。私たち塾生は、自分の名前や、暑中見舞い文を練習し始めました。今年4月に入塾した11期生にとっては初めての書道研修ということで、筆ペンの扱いに苦労している塾生が多かったです。しかし、珠翠先生は一人ひとりの文字を丁寧に直してくださり、どの塾生にもその人の文字の良いところを見つけて褒めてくださいます。そして、改善点を具体的に説明し、私たちのノートに美しいお手本の文字を書いてくださいました。この珠翠先生のご指導のおかげで、不安そうな顔をしていた塾生も次第にリラックスし、そして楽しんで書道研修を受けることができました。
私自身、文字を手書きで丁寧に書くことがとても久しぶりで、今回の書道研修では、きれいに書くことができるかとても不安に思っていました。しかし、珠翠先生のご指導を受け、セミナーが終わる頃には、セミナー開始時より、随分上手な文字を書くことができるようになりました。
近年のデジタル化の潮流や、リモートワークの推進により、殊にここ数年、手書きの文字を見る機会や、手書きの手紙を受け取る機会が減少しているように思います。私も、ここ数年は、年賀状を出すことさえ億劫な気持ちになっていました。
しかし、今回の書道研修で、改めて、丁寧に文字を書くことの楽しさや大切さに気付きました。手書きの文字は、コンピューターの文字と比べて、書き手の心の状態が如実に相手に伝わります。だからこそ、丁寧な文字を通じて読み手への配慮や敬意を表すことができ、人間味のある温かいコミュニケーションにつながるのではないかと思いました。
また、自分の書いた文字を見返して修正し、さらに良いものを書くことを繰り返すことは、自分との戦いでもあります。研修を通し文字を書く中で、書道は、精神的な面で自己を鍛錬し、克己心を養うことにも通じると感じました。
仲野塾長が書道研修という場を私たちに用意してくださったのは、日本の伝統文化に触れる体験を通し、生きていく上で大切なことを示そうとしてくださったのではないかと思いました。今回の書道研修では、珠翠先生の素晴らしいご指導を受けることができたこと、そして、塾長が私たち塾生のためにこのような場を準備してくださったことへの感謝の想いが芽生えました。
自分に与えられた環境が当たり前であるのではなく、恵まれていることを自覚し、周りの全ての人たちへの感謝の気持ちを常に忘れず、これからも塾生として精進していこうと思いました。
最後にはなりましたが、私たち塾生にご指導くださった髙橋珠翠先生に心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。次回の書道研修を今から心待ちにしております。