ヤングセミナー
【レポート】人間塾2022年度第2回ヤングセミナー
2022年5月5日
4月28日に開催した第2回ヤングセミナーでは、ポーランドの詩人・シンボルスカを紹介しました。1996年にノーベル文学賞を受賞したシンボルスカですが、歴史や文化を冷静に見つめ、やや皮肉のこもった言葉に託して詩作をしました。
私はシンボルスカの詩を読むと、いつもハッとさせられます。若い時からこのような詩に出合ってほしいと願います。
今回のレポーターは第10期生の藤原三千花です。
是非ご一読ください。
塾長・仲野好重
人間塾 第10期生 藤原三千花
(国立音楽大学4年)
去る4月28日、第2回ヤングセミナーが行われました。
今回のセミナーは、まず「おうつり」のお話から始まりました。「おうつり」とは、人からいただいたものを返すときに気持ちを添えて返すというものです。感謝の気持ちを形に表すことで、相手も温かい気持ちになり、良い関係性が育まれていきます。何かしていただいたことに対して常に感謝と敬意を持ち、言葉と行動で表すことの大切さを改めて実感しました。また、袱紗の使い方や神社に参詣する際のお辞儀の仕方なども教えていただきました。初めて知った事柄もあり、日本文化に根付く「慎ましやかな精神」を継承していかなければならないと思いました。
次に、現在、世界を取り巻く不安定な情勢をどう受け止めていくのかという問題について、ポーランドの詩人・シンボルスカの「終わりと始まり」(1993年)という詩を塾長は紹介されました。シンボルスカはこの詩において、戦争を経験した世代から経験していない世代に移り変わっていくことで、戦争に対する危機感が薄れ、やがて戦いの火蓋が再び切られることに警鐘を鳴らしています。彼女の予感は的中し、2022年2月、かつての帝国主義的な考えを持つ国によって、今までかろうじて保たれていた均衡が崩れつつあります。
今現在、世界で起こっていることは決して他人事ではありません。昨日まで私たちと同じように生活を送っていた人々が命を落としているのです。罪なき人々の尊い命が不当に奪われている現状に目を向けて、何か自分にできることはないかと模索することが求められているように思います。
最後に、5月2日から5月5日にかけて行われる春季合宿についてのご説明がありました。不二聖心の大自然のもとで己と向き合い、課題を見つけ、この一年間塾生としてどう成長していくのかを考える合宿にしたいと思います。