ヤングセミナー
【レポート】人間塾2022年度まとめ合宿二日目
2023年2月27日
2023年2月19日は、まとめ合宿第2日目でした。
一泊二日の短い時間ではありましたが、各塾生は、新しく始まる4月からの年度を視野に入れて、自らの覚悟を宣言しました。それぞれが、真剣に悩み、考え、気づきを頂いた2日間でした。
今回のレポーターは、第9期生の猿渡啓太です。
是非ご一読ください。
塾長・仲野好重
人間塾 第9期生 猿渡啓太
(多摩美術大学4年)
静かな雨の中、合宿2日目が始まりました。この日も仲野塾長のお話から始まり、最後には塾生それぞれの覚悟と決意を分かち合い、合宿は幕を閉じました。
朝食後のセッションでは、仲野塾長がアメリカの神学者であったラインホールド・ニーバー(1892-1971)の祈りの詩をもとに講話をしてくださいました。塾長は始めに、『私たちに、変えられないことを受け止める心の静けさと、変えなければいけないことを変える勇気と、その違いを判断できる叡智をお与えください』という一節を紹介してくださいました。自分自身の変えられない部分と変えなければいけない部分を誤った判断で変化させようとしても、それは徒労に終わってしまいます。そのため、「叡智」が最も大切であると塾長はお話されました。私たちは自分自身の「変えられないこと」と「変えなければいけないこと」の違いを判断できる叡智を身につけるために、修練しなければなりません。
次に、『困難を平和への道に至る道として受け入れられますように』という一節を紹介してくださいました。人間は困難を目の前にすると、つい目を背けてしまいます。しかし、その困難を困難として受け止めるのではなく、心の平穏への道として受け止める心構えが大切です。
私も課題を目の前にすると逃げ出してしまうことがあります。しかし、いくら逃げても課題は追ってきます。心の中はざわつき、落ち着くことができません。しかし、意を決して課題を乗り越えたとき、心は晴れやかになり、それまでの焦燥感を覚えないようになりました。この経験から、これからも困難を「平和への道」として受け止め、どんな困難からも逃げないようにしていきたいと思いました。
最後に『あなた(大いなる存在の意)の意思に私は降伏します』という一節を紹介してくださいました。ここでの「大いなる存在の意思」とは、人間自らの「運命」や「使命」のことを指し、自分の運命や使命に抗わないということを大いなる存在に宣言しています。仲野塾長は併せて「人には必ず役割があり、時には諦観を持つことが必要である」とお話しされました。
私たち若者は根拠のない自信を持ち、自らの「分」を越えたことを、ついついしてしまいます。しかし、自分の能力を正しく見つめ、自分の「分」に応じた選択をしなければなりせん。その過程で自分のすべきことが明らかになり、使命が見えてくるのではないでしょうか。
私も人間塾に入る前は根拠のない自信を持ち、色々なことができると思っていました。しかし、人間塾で学ぶ中で自らの役割を考え、今では、正しい自信を持って前に進めるようになったと思います。これらも自分の役割を常に考え、自分のすべきことを選択していきたいと思います。
昼食を頂いた後、まとめ合宿最後のセッションが始まりました。塾生としての覚悟を振り返り、その覚悟への決意を分かち合いました。私は、「保身に走ってしまう欲を捨てる覚悟」を以って今回の合宿に臨みました。合宿前はその欲と戦い、勝ち続けることでようやくその欲を捨てられると思っていました。本来はその欲と共に生きていくのが人生なのです。塾長のご指摘や合宿中のセッションで考える中、自分の誤った考え方に気が付くことができました。そして、私は「人の喜びや幸せ」を自分の生きる上での軸にしなければいけないと、覚悟を新たにしました。
塾生同士がお互いの覚悟を知り、己の覚悟を遂行する決意を表明する時間になりました。この時間を「分かち合い」と呼んでおり、人間塾では特に大切にしている時間です。
私は四月から社会に出ます。社会に出てからが人間塾での学びを実践する本番であると思っています。この合宿で心に決めたことを曲げずに、頑張っていきたいと思います。