ヤングセミナー

【レポート】人間塾2022年度軽井沢合宿二日目

2022年10月7日

2022年9月24日は、軽井沢合宿の2日目でした。

前日の導入部分から、さらに掘り下げて、自分を見つめる機会を作りました。塾長からのさまざまな問いかけに対して、塾生たちは真摯に向き合い、さまざまな角度から問いを見つめる努力を続けていました。

2日目のレポーターは第10期生の遊馬大空です。
是非ご一読ください。

塾長・仲野好重

人間塾 第10期生 遊馬大空
(日本大学4年)

軽井沢合宿2日目となる9月24日の朝は曇天となりましたが、午後には見事な快晴となり、爽やかな雰囲気の中での合宿となりました。

最初のセッションでは、仲野塾長から「物事には必ず終わりがあり、終わりがあるからこそ意味がある」ことを教えていただきました。

私たちは嬉しいことは永く続いてほしい一方で、苦しいことは早く終わってほしいと考えてしまいます。しかし、変化のない平坦な日々を過ごしていては、自らを成長させることができません。苦しいことや辛いことにも終わりがあり、挑戦を続けることでひとつの結果を生み、また次の目標を目指して進むことができます。

「今の成果は過去の努力の積み重ねであり、明日からの努力が未来の成果になっていく」という塾長のお言葉を受け、私は現状に満足せず、自分の内側から湧いてくる「役に立ちたい」「成長したい」という思いを常に燃やし続けて生きなければならないと考えました。

続いて、二つのグループに分かれて、ベネディクトの「祈りと労働」という言葉の意味について討論しました。二つのグループでは共通して、祈りは抽象的なものであり、自分以外の他者や社会に向けたものであること、労働は具体的な行動であり、祈りを現実にするものであると述べました。

人間塾2022年度軽井沢合宿:グループでの議論

グループでの議論

しかし、塾長から「自分の友人が精一杯の実力を発揮できるように祈る時、本人に向かって祈っているのか。そして平和を祈る時は、社会に向かって祈っているのか」と問いかけられました。この言葉を受け、祈りの対象は他者や社会ではないことに気づくとともに、私は何に対して祈っていたのかを改めて考えました。

塾長からのご指摘を受け、人は祈る時に自分の力では及ばないことを認めて、改めて謙虚になること。そして自分では対処できないことを前に、目に見えない自然や宇宙の大きな営みの中で、自分は生かされていることを実感するのだと感じました。

また、「働く」という言葉は「人」が「動く」ということを表し、祈りを実現するために労(苦しいこと、辛いこと)を厭わず行動することが、「労働」であるとご説明くださいました。

来年の3月に大学を卒業する私は、「祈りと労働」の意味を深く受け止め、祈るところまで一生懸命努力しているか、労を厭わず働くことができるのかを自問しました。私は今まで祈るということの意味を明確に意識していませんでした。社会で生きていく上で、心を込めて一生懸命努力すること、また苦しいことであっても自らが動き、働いて生きなければならないと気づきました。

夜のセッションでは、机を円形に並べて全員が向き合い、今の自分の在り方を「〇〇な人」として発表し、その後、目指す自分の姿を続けて表現しました。ある塾生は「自分で自分を燃やせない人」から「軸とエネルギーのある人」になりたいと表現し、また別の塾生は「自分中心の人間」から「衛星のような人間」になりたいと表現しました。今の自分が乗り越えたい課題を見つめ直し、表現することで、お互いが悩んでいること、目指すものを知ることができました。一人ひとりの個性あふれる発表となり、興味深いものでした。

人間塾2022年度軽井沢合宿:全員で意見を交わす

全員で意見を交わす

2日目の合宿を通して、物事に隠された、目には見ることのできない「意味」にどれだけ思いを巡らすことができるのか。自らの経験や数ある情報を吟味して、これから生きていく道を自分で選択できるのかを問う機会となりました。

最後に、9月24日は人間塾の元理事である村木享子様の告別式でした。人間塾の役員を務められたのちも、私たち塾生のことを応援してくださいました。軽井沢の地から、告別式の始まる時刻に黙祷を捧げました。塾生一同、心よりご冥福をお祈りいたします。



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