ヤングセミナー
【レポート】人間塾2022年度軽井沢合宿一日目
2022年10月6日
2022年9月23日から25日まで、恒例の軽井沢合宿を開催しました。東京から場所を移して、静かな環境の中でじっくりと自己に向き合う機会となればと思い、2012年から毎年企画しています。
合宿第一日目のレポートを第9期生の猿渡啓太がお届けいたします。
是非ご一読下さい。
塾長・仲野好重
人間塾 第9期生 猿渡啓太
(多摩美術大学4年)
去る9月23日、肌寒い雨が降る中、軽井沢合宿が始まりました。塾生一同気を引き締めて合宿に臨みました。
宿舎である友愛山荘に到着し昼食をいただいた後、第1セッションが始まりました。
第1セッションでは今回の合宿の目的を確認しました。今回の合宿の目的の一つに「人とのつながり、社会とのつながりの真の意味を考える」というものがあります。これをもとに仲野塾長は、「人間には、耳は2つあり、口が1つある。その理由は、人と共に生きていく為には、話すことよりも、聞くことの方が大切であるからだ」と、話されました。
一人でできることには限りがありますが、何事を成すにも誰かの協力が必要です。そのために、まず人の意見や考えをよく聞くことが大切です。そして、さまざまな意見を自分の中で目的に照らし合わせながら再構築し、最善の方法に行き着くよう、熟考することが必要です。その過程の中で、他者からの協力を得て、一人ではできない事が実現していくのだと思います。
人から耳に痛いことを言われると、素直に聞けなくなってしまうことが、誰にでもあります。しかしそれでは、物事は正しい方向に進まなくなるだけでなく、自分自身の成長にも繋がりません。よって、相手の意見を真摯に受け止める姿勢、目的を見失わない冷静さが必要であると考えました。
第2セッションでは、京セラの創業者である稲盛和夫氏のお話を塾長から伺いました。塾長は稲盛氏の「今という瞬間々々を完全燃焼することで未来が作られる」という言葉を紹介してくださいました。未来は「瞬間」を精一杯生きる連続性の中で作られます。しかし、多くの人は「真摯に精一杯」を忘れ、物事を「こなす」ようになっていきます。これに対して、ある塾生が「私も忙しさにかまけて、瞬間を大切にしていない」と述べました。すると仲野塾長は、「当然のように明日が来ると思っているのではないか。そう思っていると生活が雑になってしまう。忙しい時ほど、丁寧に生きる必要がある」とお話してくださいました。
私はこのセッションを通して、何事にも「終わり」が来ることについて深く考えていない自分に気づきました。しかし今後は、この人生にもやがて終わりがくるということを意識して、瞬間々々を大切にしているのかと、自分に問いながら生きていこうと思います。
第3セッションでは、仲野塾長がエリザベス女王の振る舞いについてのエピソードを紹介してくださいました。ある晩餐会で、エリザベス女王は、アフリカのある国の首長が、誤ってフィンガーボウルの水を飲んだのを見て、自身もその水を飲まれたそうです。その賓客に恥をかかせない、素晴らしい心遣いをなさいました。エリザベス女王は、形式的なマナーを守ることよりも、人を楽しませ、イギリス訪問をよき思い出にしてほしいと、努力されていたのです。
目の前にあることばかりに囚われてしまうと、本当に大切なことを見失ってしまうことがあります。余裕を持って物事を俯瞰し、真に大切なことは何かを意識しながら行動していかなければなりません。
自分のこれまでの生活を振り返り、人の話を誠実に聞くこと、瞬間々々を大切に生きること、そして目に見えないことへの配慮を自身に問い続けたいと思います。合宿第一日目は、自分自身を俯瞰することを大いに促された一日でした。