ヤングセミナー
【レポート】人間塾2022年度春季合宿三日目
2022年5月19日
5月4日、春季合宿3日目を迎えました。
合宿も半分が過ぎ、塾生たちは黙想を通して、与えられたテーマに向き合う時間を持ちました。
この時間は沈黙を守り、たった一人で散策をし、考え、思い巡らし、心に浮かんできたことを綴っていきます。沈黙の時間を持つということは、普段の生活ではなかなかできないことです。
しかし、今回の合宿では、黙想時間は大変貴重な経験になったようです。
レポーターは第7期生の松田怜奈です。
是非ご一読ください。
塾長・仲野好重
人間塾 第7期生 松田怜奈
(日本大学6年)
去る5月4日、雲一つない晴天に包まれ、不二聖心での春季合宿3日目を迎えました。
午前中のセッションでは、合宿の目的を再確認し、塾生として気を引き締めた後、「豊かな人生はどのようなものなのか」という問いに向き合いました。ある塾生は、「旅行に行くこと、ある分野を究めることが豊かな人生だ」と答えました。それに対し、仲野塾長は「人は生まれた時点で、自分の幸せだけを追い求めてはいけないという運命があるのだから、他者の幸福を願い、尽力できるような生き方が豊かな生き方だ」と言われました。何世代にも亘って他者と関わり続ける人間だからこそ、「自分さえよければ」という考えを捨て、他者を思い、相互扶助の精神を持って人と向き合っていかなければならないのだということを改めて痛感しました。
午後は、黙想の時間をいただき、「自分の存在は何かの為になっているのか、私たちにはどのような生きる意味があるのか」ということについて、塾生それぞれが一人になり沈黙の中、考えました。
「親や周りの人から思われているから」という理由だけで、自分の存在を肯定するのではなく、多くの人に愛され、期待され、恵まれた環境で育てられた私だからこそ、自分の使命を精一杯生き、社会に還元する義務があるということを教わりました。一人一人の存在は小さなものかもしれませんが、周りの人々を巻き込む力を持っていれば、それは次第に大きな輪となり、社会に大きな影響をもたらすのだということを学びました。それと同時に、驕ることなく、謙虚にコツコツと自分にできることを精一杯生きていくことが大切なのだと改めて感じました。
最後に、塾長は「人生における小さな死」についてお話してくださいました。日々生きている中で、予定通りに行かなかったり不便に感じたりと、人生にはいくつもの不自由、つまり「死」があります。しかし、どんな「小さな死」があろうとも、それを受け入れ、逃げずに立ち向かい、自分の使命を信じて進まなければなりません。さらには、他者からの評価や損得勘定などに囚われることなく、「自由に不自由を選ぶ」ということが重要であると教えてくださいました。
「不自由」を選ぶことの大切さを頭ではわかっていても、他者からどう思われているのか、失敗したらどうしよう、という不安から、自由の下で選択することができなかったことが私自身にも多くありました。しかし、そのような不自由を受け入れ、くじけることなく、自分の信じた道を突き進んでいかなければならないと感じています。
私たち塾生には、ありがたいことに、いつでも戻ってこられる人間塾という場所が用意されています。そのような温かい人間関係、環境に感謝しながら、私自身も自分の使命を生きるために、失敗を恐れず、何事にも果敢に挑戦していこうと改めて決意しました。