ヤングセミナー
【レポート】人間塾2021年度第5回ヤングセミナー
2021年6月15日
人間塾 第7期生 小川大介
(筑波大学3年)
6月3日に第5回ヤングセミナーが行われました。今回は対面での開催となりました。北海道・富良野市在住の修了生、岩本穂さんから富良野銘菓のプリンを頂きました。岩本さんは第2期生ですが、先日の開催したオンラインでの交流会で、進路選択のお話をして下さいました。在塾生たちも大いに刺激を受けたようでした。岩本さんからの後輩を思うお気持ちに感謝してプリンを頂きました。
本日セミナーの形式は塾長先生による「即興セミナー」でした。塾長先生がテーマを募集し、そのテーマをもとに塾長先生が講義を、その場で即興形式で行います。「遺言」「音楽」「旅」「死後の世界」4つのテーマが塾生から寄せられました。テーマが出て数秒後に塾長のお話は始まりました。
まず、高齢者の心理の研究の中で出会ったドイツ人の修道女、イサについて塾長先生はお話ししてくださいました。イサはナチスのダッハウ強制収容所からの生還者です。
イサの家族は反ナチスの考えをもつ家族でした。そのため、ナチスの勢いが激しくなる中で、イサの母とイサは身を隠すためにベルリンに出ることになりました。そして、ベルリンのキャバレーで働き、アコーディオンで「音楽」を弾きながら歌手としてデビューしました。しかし、イサは最終的にナチスに捕まり、強制収容所に入れられてしまいます。生きて帰れると信じなさいと、同じ房に入れられたある修道女から「遺言」のように諭された経験がイサにはありました。その後、生きて収容所を出た彼女は、「私の目の前から一人の修道女が殺され消えてしまった。だから私も修道女になって、彼女の分も生きていこう」と心に誓い、そのごの紆余曲折の人生を歩き始めます。塾長は研究の為に訪れ、イサと出会ったこの「旅」が大変心に残っていると話されました。
話は変わり、塾長先生がある大企業の社長さんとお話した経験を話してくださいました。その社長さんはリーダーとしての孤独を塾長先生にお話ししたそうです。そのとき、塾長先生は社長さんになぜ辛い中、社長業を頑張っているのか伺いました。すると、社長さんは「死後の世界」で、よく頑張った、と先代の社長たちに一言かけてもらうために頑張っていると話したそうです。目に見えない世界に思いを馳せて、この現実を一生懸命に生きる人のお話でした。
塾長先生のお会いした人たちの人生経験を伺うと、塾長先生は多くの人からの影響を受けて生きていることが、どのエピソードからも感じられました。「人と出会い、人をつなぐ、人になる」という人間塾のモットーにも深い意味があると思いました。塾長先生、壺井さん、井上さんの経験が、人間塾には裏打ちされていることが容易に想像されました。
私たちも社会の中で生きる存在であることを再認識して、たくさんの人と出会い、豊かな人生を歩めるよう日々精進していかなくてはならないと思いました。
