ヤングセミナー
【レポート】人間塾2020年度第22回ヤングセミナー
2021年1月23日
人間塾 第9期生 山本天智
(国際医療福祉大学2年)
1月14日、2021年最初のセミナーが開催されました。緊急事態宣言下ではありましたが、万全の感染症対策をとったうえで対面にて行われ、塾生同士距離を保ちながら3週間ぶりの再会を喜び合いました。大学の授業などがほとんどオンラインで実施されている昨今、こうして対面にて交流できることは、とても新鮮であり改めて人と触れ合うことの大切さを感じました。
セミナーではミズノ株式会社・元代表取締役会長の水野正人氏について、塾長からお話がありました。水野氏は東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会の副理事長・専務理事として東京オリンピック招致に尽力されました。招致活動に専念するためミズノの役職などを辞されたそうです。そこまでしてオリンピック招致に尽力されたのは、なぜかというお話を塾長から伺いました。それは水野氏のスポーツに対する信念が突き動かしたのだそうです。オリンピックを自国で開催することで子どもたちや若者たちにスポーツの醍醐味を知ってほしい。そして、スポーツを通じて人間教育の最も大切な「心を育てる」ことへの強い思いが、水野氏のオリンピック招致活動の原動力であったのではないかと、塾長は話されました。
私たちも楽しみにしていた東京オリンピックですが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で1年延期となりました。現在の時点では、未だ開催の見通しは立っていません。塾長はこの状況に際して、「一生懸命やっても思い通りにならないことがある。本当に悔しく、報われないと思うことも人生にはあるのだ。しかし、よく考えてみなさい。最も大切なことは、結果そのもの以上に、そこに至るまでのプロセスであり、努力である」とおっしゃいました。厳しい言葉だと感じましたが、人生の真理であり、結果に至るまでの過程にこそ物事の本質があるのだと考えさせられました。
水野氏だけでなく多くの方々の思いが詰まったオリンピックが、どうか無事に開催されることを今は祈るばかりです。水野氏はある時、塾長に「たくさんの友人を持つべきだ。そうすることで、一つの現象を全く違う観点から見ることが出来る」とおっしゃったそうです。様々な専門分野を持った塾生が集まる人間塾も、以前まではそのような多様な観点から議論ができる場でありました。しかし、コロナ禍において密を避けなければいけなくなり、この1年間思うように議論し合うことはできず、もどかしい思いをしてきました。この先ももう少し我慢の時間が続くと思われます。オリンピックの話にもあるように、人生において自分の思うようにならないことが数多くあります。私たちはこのような逆境の中でも、できることを模索しそれらを乗り越えていく大切さを日々人間塾で学んでいます。今は我慢の時ですが、また以前のような状況に戻った時に、忌憚なく自らの意見を述べられるよう、自分の中で考えを深める絶好の機会であると捉えたいと思います。自粛生活の中でも、工夫を凝らし日々成長していきたいです。
今回のセミナーを通して、どんな困難な状況でもくじけずに進んでいこうと気持ちを新たにすることができました。目標を高く掲げ、充実した1年にしたいと思います。