ヤングセミナー
【レポート】人間塾2020年度第21回ヤングセミナー
2020年12月29日
人間塾 第9期生 吉田光志
(早稲田大学2年)
去る12月24日、年内最終回となる第21回ヤングセミナーが行われました。塾生皆で協力して大掃除を終えたのち、清々しい気持ちでセミナーに臨みました。
セミナー当日はクリスマスイブと重なっていたため、新約聖書の「イエスの誕生」の部分を参照しつつ、クリスマスの意味について塾長先生がお話ししてくださいました。ヨセフと婚約者のマリアは、ヨセフの出身地であるダビデの町、ベツレヘムを訪れた際にイエスを出産しますが、宿屋を確保できず、馬小屋の飼い葉桶に赤子であるイエスを寝かせていました。一方、その地方で野宿をしながら羊の群れの番をしていた羊飼いたちの前に、突如天使が現れました。天使から「あなたたちの救い主がベツレヘムに生まれ、飼い葉桶で寝ている。」という旨を告げられた羊飼いたちは、救い主イエスを探すことにしました。その後、彼らはイエス、マリア、ヨセフを見つけ出し、周囲の人々にこの幼子について天使から聞いた話を伝えました。羊飼いたちは、見聞きしたことがすべて天使の話したとおりだったので、神を崇め、賛美し、帰っていきました。この一連の出来事が、後にイエスの生誕を祝うクリスマスという行事になったのです。
続いて塾長先生は、天使が羊飼いたちの前に現れた事に重要な意味があると教えてくださいました。天使は救い主の誕生を、当時もっとも貧しい人々の一人であり、何の権力も持たない羊飼いたちに、一番に知らせました。彼らは人生に不安や諦めを抱えながら生きていた存在だったようです。そのような人々にとって、自らの存在を根底から肯定してくれる「知らせ」は救いであったと思います。この場面には、神はどんな人も見捨てないというメッセージが込められていたのだと感じました。
その後、クリスマスと関係が深い「プレゼント」の話に移りました。英語のpresentには、「現在」「居る」「表現する」「プレゼント/プレゼントする」など様々な意味があり、その名詞形であるpresenceは「存在」を表す単語です。このことを踏まえ、塾長先生は、誰かにプレゼントをする際には、自分という存在(presence)が込められていなければならないとおっしゃいました。贈り物に自分という存在、自分の中から湧き上がる相手を思う気持ちを込めることで、単なるギフト(gift)がプレゼント(present)になるのです。つまり、イエスの誕生とその知らせは、孤独や不安の中で生きる人々にとって、神の彼らを思う気持ちが込められた最高のプレゼントだったのです。
また、塾長先生はエレノア・ルーズベルトの言葉を紹介してくださいました。“Yesterday is history. Tomorrow is a mystery. Today is a gift. That’s why it is called the present.”「昨日は過去のこと。明日は未知のもの。今日は贈り物。だから、『今日/現在』のことを『プレゼント』と呼ぶのです。」という言葉です。これを聞いて、私は身が引き締まる思いがしました。今日という日は贈り物で、今という時間はプレゼントだと考えると、一日一日をいい加減に過ごしてはならないという気持ちになりました。
更に、セミナー終了後、嬉しいサプライズがありました。人間塾設立者である井上和子さんが、私たち塾生にクリスマスプレゼントをご用意してくださっていたのです。時間をかけて選んでくださったのだろうと思うと、感謝の気持ちでいっぱいになりました。抽選会は大いに盛り上がり、楽しいひと時となりました。
私たち塾生は大変有難いことに、人間塾関係者の方々からプレゼントや贈り物を頂くことがとても多いです。多くの方々から応援され、支えられていることを胸に刻み、感謝を忘れず毎日を一生懸命に生きようと思います。