ヤングセミナー
【レポート】人間塾2020年度第12回ヤングセミナー
2020年8月17日
人間塾 第7期生 西川泉希
(国際基督教大学4年)
去る8月13日、第7期から9期までの塾生により人間塾の大掃除が行われました。今年度はコロナウイルスの影響により、オンラインを主たる方法としてセミナーを受けていました。そのため例年と比べると、人間塾に訪れた回数は非常に少ないです。しかし、この学び舎があるからこそ、私たちは日々塾生として学びを深められている、ということを改めて感じました。そして、その大切な学び舎を掃除することにより、晴れやかな気持ちで、その後のセミナーに臨むことが出来ました。
大掃除の後、夏休み前最後のセミナーが始まりました。前回のセミナーでは、10月18日に開催される「第8回人間塾塾生シンポジウム」のテーマである「本物のプライド」について、塾長にお話をしていただきました。そして今回は、テーマについてではなく、シンポジウム中に行われる少人数での討論の際に、塾生はどういった点に注意して議論を進めなくてはならないか、について指導していただきました。他の参加者の意見を単に聞くだけだったり、自身の意見をがむしゃらに述べたりするだけでは、討論は盛り上がりません。討論の流れを読み、その流れの変化を敏感に感じ取りながら、議論が深くなるチャンスを逃さないようにするべきだと、塾長はおっしゃいました。そのためには、他者の意見を傾聴することも大切ですが、テーマに対して考えを深めなければならないと感じました。
討論の動かし方をご指導いただくにあたって、セミナーに参加した塾生は2つのテーマを用いて、実際にディスカッションを行いました。一つ目の討論は「平和について」というテーマで行われました。塾長が進行役となって、塾生たちが意見を出していきました。数名が発言するごとに、一度討論を止め、その時点で議論の方向性を確認しました。どの発言で流れが変化したか、そして変化を促すために塾長が使ったテクニックなどを細かく説明していただきました。塾生たち自身、気が付いていなかった部分や、注意すべき点を学ぶことが出来、自身が討論において改善すべき点を見つめなおすようになりました。
二つ目は「自由について」というテーマで行われました。この討論では、思想の自由などを含む精神的自由と、職業選択などが含まれる社会的な自由の違いについて話し合われました。議論が進む中で、塾長から「あなた達は自由を活用していますか?」と問いかけられました。先日、釈放された香港の周庭氏を例に挙げて、世界では自分たちが生きる国の政治に対して声を上げ、行動に移している若者がたくさんいるが、日本に住む私たちはどうか、という質問でした。ただ現状を受け入れ、自身に影響が及ぼされなければ関係ない、と感じる人が多い中で、私たち人間塾の塾生はそうあってはならないと塾長はおっしゃいました。人間塾で学ぶ私たちは、自分たちのことだけではなく周囲の人々、そして将来の日本のことも考え、疑問を呈したり、間違っている事には「NO」と言える存在でなければなりません。日本では政治的信条を表したり、行動を起こしたりしても罰せられない「自由」があります。そして、その自由の中で未来を創る私たちは日々そのことを深く考え、行動していくべきだと強く感じました。