ヤングセミナー
【レポート】人間塾2020年度第11回ヤングセミナー
2020年8月11日
人間塾 第8期生 小澤徳崇
(多摩美術大学4年)
2020年7月30日午後1時の時点で、本日のコロナウィルス感染者数が367人と発表が出され、ヤングセミナーは急遽、ZOOM形式での実施となりました。塾生が人間塾に通う行き帰りを、心配された塾長のご配慮でした。コロナウィルス感染拡大の先行きは見通せませんが、今は耐えるべき時であります。早くに通常通りのセミナー形式に戻れることを、塾生たちは心より願っております。
本日のヤングセミナーでは、10月18日に開催される「第8回人間塾シンポジウム」のテーマとなる「本物のプライド」について、塾長に講義して頂きました。現在、塾生たちはシンポジウムのため準備を進めており、ディスカッションなどの練習会を通し、このテーマについて話し合っています。しかし、プライドの解釈は人それぞれ違い、塾生たち自身が「プライド」についてもっと理解を深めなくてはならないと感じておりました。この様な背景から、今回のセミナーでは、プライドについて塾長に講義をして頂きました。
まず塾長は、「プライドと聞いて、どんな情景を思い浮かべますか」と、塾生たちに投げかけました。塾生たちは、スポーツ選手が胸に手を当て国家を歌う姿や、ジャンヌダルクが民衆を率いる姿など、英雄的な情景を挙げました。すると塾長は英雄にしかプライドはないのでしょうかと問いかけました。続けて、英雄などとは関係なく、皆がプライドを持ったら、世界は変わると思いますかと問われました。塾生たちは少し考えてから、変わる、少し変わるなどと意見が出ました。塾生たちが答えたあと、塾長は確信を持って、皆が真のプライドを持っているなら、世界はガラッと変わると仰いました。
なぜなら、プライドを持った人間は、他者を思いやることができ、その思いは行動にも現れるからです。プライドとは自尊心という意味も含んでおり、自尊の気持ちは自分を大切に扱うことにつながります。ありのままの自分を認められる人間でなくては、他者を受け入れることは出来ず、同時に、他者を大切にすることも出来ません。このことから、プライドを持って生きるという事は、他者と共に創っていく世界を変えるということに繋がります。
また、プライドは、じっと静止しているものではなく、上昇を志向するものであると、塾長は仰いました。すなわち、プライドは空間ベクトルのように、大きさと方向性を持ったのであるとも言われました。プライドを持ち、自分を認めることができれば、より良い自分でありたいと願う心が生まれます。そのためにも、人々は真のプライドを持たなくてはなりません。自分は駄目だと思うのではなく、ありのままの自分を受け入れることがプライドを持つ第一歩であると塾長は説きました。
私は人間塾に在塾して、一年と4か月が経ちました。人間塾に入塾して最も成長したと感じる点は、自己を肯定できるようになった事です。入塾前の私は自分の過去ばかりを顧みており、他者に目を向けていませんでした。しかし、人間塾に入塾し、ありのままの私を受け入れてもらい、私の成長を信じてくれる人々に出会い、自分の過去を受け入れることが出来ました。このことが今回のセミナーにも繋がり、自分でも気づかない間にプライドを持つことができるようになったと気づきました。
まだまだ未熟な身ではありますが、人間塾が私に持たせてくれたプライドを胸に生きていきたいと思います。私が人々からたくさんのものを与えてもらったように、今度は、私も人々に与えられる人間に成長して行きたいと思っております。