ヤングセミナー
【レポート】人間塾2020年度第10回ヤングセミナー
2020年7月27日
人間塾 第8期生 工藤光太
(東京農工大学4年)
本日のヤングセミナーは塾長のご配慮により、ZOOMでの開催となりました。最近は対面での開催が続いたため、画面を通して皆の顔を見るのが新鮮に感じられました。
セミナーが始まるとまず塾長から、今回のセミナーは塾生から塾長への質問を中心に進めたいとのご説明がありました。
塾生にとっては初めてのことだったので、最初は少し戸惑っている様子でしたが、一人が手を挙げたのを皮切りに、皆が次々と質問をしていきました。
ある塾生は、「成長して一つ上のステップに入ると大きな悩みにぶつかると思ってきました。しかし、最近は今の自分の考え方で悩みに対処できることが多いので、これで成長できているのか心配になります」と言いました。それに対して塾長は、「あなたの成長は一段一段均一な階段ではない」とおっしゃいました。人間の成長は連続した階段のように均一の高さで、同じ幅を持つものではありません。ある時は平坦な道を歩き続けているようなものであり(階段の踊り場が長い)、またある時は大きな階段が目の前に現れること(段が高い)もあります。塾長は、質問した塾生に対して、今は大きな段の階段をのぼる日のために、踊り場で練習しているのだとおっしゃいました。
この一年半、人間塾での学びの中で少し成長できたと思っては、未だに成長できていないことに気づき落ち込むことが多かった私には、この言葉が印象深く残りました。今回のお話は、私にとって、成長しなければと焦って空回りする気持ちを抑えて一歩ずつ着実に、前向きに進んでいこうと考え直す機会となりました。
続けてある塾生は、「人間塾外での人付き合いで、自分がしようとしていることを理解してもらえないことがあります。皆と一緒に成長していきたいと思っているのですが、どう声をかけていけばよいでしょうか」と質問しました。それに対して塾長は、「厳密には皆で一緒に成長することはない」とおっしゃいました。さらに、大事なこととして、「正しいことを言う人間は、常に孤独を味わうものだ」ともお話しくださいました。自分が正しい生き方を追求し、それを人に伝えても、多くの人にとってそれは面倒で困難なことのように見えるため、理解が得られないことが多くあります。そこで塾長はその塾生に対し、「皆を振り向かせるには、自分が善意にあふれた行動をとり続ける必要がある。そのためには、自分自身が成長し、やりがいを持って物事に取り組まないといけない」とおっしゃいました。その塾生と似た経験があった私にとっては、特に「自分が成長しているところを示す」という言葉が心に残りました。本当に人を動かすのはその人の生き方を目の当たりにしたときだと心に刻み、成長していきたいとあらためて感じました。
人間塾は、私のように成長の遅い塾生も見守っていてくれる温かい場所です。その温かさに甘えず、今度は自分が期待に答える時だという意識を強く持って生きていきたいと思います。