ヤングセミナー
【レポート】人間塾2020年度お遍路研修WEBセミナー(2日目)
2019年5月12日
人間塾 第7期生 西川泉希
(国際基督教大学4年)
お遍路研修のWebセミナーの2日目は、塾長による般若心経というお経の説明から始まりました。
お遍路の道中では、さまざまな場で般若心経を唱えます。お宿を出発する前や霊場に到着した時だけではなく、お遍路の最終日に打ち止めの感謝を表す際など、場面によって持つ意味が違います。そのように我々塾生にはなじみの深い般若心経の意味を塾長はわかりやすく説明してくださいました。
このお経の意味するところは、この世のすべては、自身の心の持ち方次第でその意味が変わり、こだわりや囚われを手放すことで人生は変化するということでした。この教えは、私自身が持つ課題においても同じことであると感じました。
日ごろ感じるコンプレックスや恐れの気持ちも、こだわりを捨てることで捉え方が変化し、与えられた場所で一生懸命に生きることが出来るようになります。2000年以上前から、現代の私たちにも響くメッセージが語り継がれているという歴史に思いを馳せて、午前の部が終了しました。
午後は、4人の塾生によるお遍路研修で学んだことのプレゼンテーションから始まりました。中でも印象的だったのは、お遍路研修中に他の塾生から投げかけられた疑問をきっかけに、考えが変化した塾生のお話です。自分自身を臆病者だと捉え、その時に抱える課題の原因が臆病さにあると考えていた彼女に対して、「臆病な要素がなくなれば、本当にすべての課題が解決するのか?」と他の塾生が問いかけたそうです。その時、彼女の中で自分自身に対する認識が変化したそうです。自分自身を「臆病だ」と考えることで他の様々な要因を無視していた事実に気が付いた、という彼女の発表を聞き、物事を表面的に捉えるのではなく、本質を見極めることの大切さを改めて感じました。
次に、塾生による少人数討論に移りました。1時間という長い時間をかけて、3班に分かれて行われました。特に4月から新たに塾生として学び始めた9期生に、人間塾での活動に対する不安や考えを丁寧に聞く時間になりました。そこで、9期生の一人が、人間塾での学びを通して視点が変化し、自己否定的な思いが薄まりつつあると発言しました。彼女は、周囲の心無い言葉が原因で自らを卑下していたそうです。しかし、人間塾でのセミナーや塾長面談を通して、他者の言動の真意を考えるようになり、悪意に振り回されなくなり始めたと伝えてくれました。それに対して、別の塾生が「自分のことを大切にできない人は、周囲の人も大切にできない」という以前のセミナーでの学びを紹介し、塾生として持つべき考え方を伝えました。
新型コロナウイルス感染防止のため、外出自粛が行われている昨今です。人間塾でもZOOMを活用してのセミナー開催となっています。お互いの学びに対して、直接対面して意見を交換する機会が無い中、今回の討論は非常に貴重な機会となりました。
塾長からのご提案と塾生の思いがきっかけとなり実現した今回のWebを活用してのお遍路研修は、塾生一人一人の思いを感じることが出来た温かい企画になりました。ここで得た学びを胸に刻み、今後の励みとしていきたいと思います。
*写真は発表で私が使用したパワーポイントと、「おうち時間」を活用して作ったマカロンです。