ヤングセミナー
【レポート】人間塾2019年度第15回ヤングセミナー
2019年12月12日
人間塾 第8期生 工藤光太
(東京農工大学3年)
12月5日に第15回のヤングセミナーが開催されました。
塾長は、先日訪日されたローマ教皇が各地で話された言葉の中から、人間塾での教育と重なる部分を抜粋して塾生たちに紹介されました。
塾生たちは、その資料に記載されている、長崎の爆心地公園での核兵器についてのメッセージを、順番に読み上げました。このスピーチの主旨は、「人類が核を保有する道を選んだことを教皇は嘆いている。世界が相互の倫理観と信頼に基づき、核をなくすために一致団結する必要がある」という強いメッセージを含んだものと思いました。
全文を読み終わると、塾長は、この原稿を読んでどう思ったかを塾生たちにお尋ねになりました。私には、「わたしたちの世界は、手に負えない分裂の中にあります。それは、恐怖と相互不信を土台とした偽りの確かさの上に平和と安全を築き、確かなものにしようという解決策です」という部分が印象に残りました。しかし、私にはなぜこの一節が心に残ったのか、理由を答えることができませんでした。
塾長にとっても、この一節が心に残ったそうで、そこからこのスピーチ全体に関する見解を述べられました。塾長の言葉の中で特に、「誰でも教皇の言うことに賛成しているが、誰も実際には行動に移さず、そのまま忘れたふりをして生活している」という部分が心に残りました。
私も振り返ってみると、私自身がそうであることに気づいたからです。人間には、正しいことを正しいと感じる生まれ持った能力があると思います。ですが、社会での生活の中では長いものにまかれ、正しいと思っていても、実行する前から諦めてしまう人が多いのです。私たち若者が、実行する前から諦めていてはいけないと、鼓舞されたような気持ちになりました。
セミナー後には大内葉子先生をお迎えし、最後の合唱練習を行いました。大内先生から、合唱では、普段私達が一人で歌うときのように「我」を出して歌うのではなく、体の内側に響かせて、全体と溶け込むように歌うようご指導を受けました。
前回、大内先生のご指導を受けてから自主練習を行い、きちんと歌えるようになったと思っていました。しかし、全体で練習するとどうしても自分のパートの音程が掴めなくなり、合唱の難しさ、奥深さを身に沁みて感じました。
大内先生のご指導の元、練習に励む過程で、我を抑えて周りと協調し、全体で素晴らしいハーモニーを生み出すことの喜びに気づくことができました。また、合唱には相手に軸を譲って良好な関係を築くという、人間関係においてとても大事なことが詰まっているように感じました。12月7日の「クリスマスディナーの夕べ」で、人間塾合唱団の練習の成果をご披露いたします。本番までさらに練習を積みたいと思います。