ヤングセミナー

【レポート】2019年度第7回人間塾シンポジウム

2019年11月5日

人間塾 第6期生 尾森恵実
(東京理科大学4年)

2019年10月20日、台風一過の秋空のもと2019年度第七回人間塾シンポジウムが開催されました。

今回のシンポジウムのテーマは「未来に向けての生きる意味を語ろう」ということで、二部構成で議論を行いました。第一部に入るにあたって、塾長による講話をしていただきました。そこで仲野塾長は、人生で辛かった経験として二つのエピソードを通して、それらの経験こそが今の自分の土台となっている、とおっしゃいました。生きていて楽しかった経験よりも、辛かった経験に大きな意味があることが多い。苦労も決して無駄ではないということを私たちは改めて感じさせられました。この講話をききながら、塾生や参加者の方々も自分の人生を振り返ったのではないでしょうか。


2019年度第七回人間塾シンポジウム:円陣で始めよう
円陣で始めよう
2019年度第七回人間塾シンポジウム:テーマについて考える
テーマについて考える


続いて、参加者の皆さんに今までの辛かった経験や、それには意味を感じるかなど、4つの質問に対して思うところを記入していただきました。そしてその後、記入した意見をもとに6~8人の小人数グループで議論しました。

私は、シンポジウムリーダーそして全体の班の様子を見回っていたのですが、どの班も活発に話し合いが行われている様子がうかがえました。最初から赤裸々に自分の辛かった経験を話してくださる参加者、またこの日初めて会った参加者同士で質問しあっている様子もありました。全体の班の発表では、受験が辛い経験として多くあがった班や、人間関係が上手くいかずに悩んだ、という意見も出ました。例えば、部活を良くするために、少し不真面目な態度をとる人に対して注意をしたいが、相手との関係は壊したくない、それではどのように声をかければ良いか悩んだという話もありました。

どの班も個性的で、非常に内容の濃い議論であったことがうかがえました。そして、辛かった経験に対して、一様に意味があったと考える人が多く見受けられました。第一部を終え、塾長から「辛い経験を振り返った時、人間関係について語る人が多いように、生きていく中で人と人が関わっていくことがもっとも重要で必要なことである。それでは、あなたたちは未来に向けて人々に何をなし、それには何の意味を見いだそうとしているのか」という提言をいただきました。


2019年度第七回人間塾シンポジウム:議論、議論
議論、議論
2019年度第七回人間塾シンポジウム:傾聴する塾生
傾聴する塾生


第二部では、先ほど討論したのと同じ班で、「あなたは未来に向けて何をなし、なんの意味を見いだすのか」というテーマについて話し合いました。難しいテーマにも関わらず、最後は時間がきても話し合いが止まらないほど盛り上がりを見せました。全班の発表をきいて、私が印象に残ったのは、目の前のことだけではない、未来へ続く努力をすることが大切だ、という意見でした。目先の事に気を取られてしまう私自身にとって、それは必要なことだと深く感じました。また今後、社会貢献をしていきたいが、それと同時に自分がお金を稼ぐという「俗」的なことに躊躇を感じるという参加者がいました。

2019年度第七回人間塾シンポジウム:班での討論を共有

班での討論を共有

仲野塾長の最後の講評では、そんな学生に対して、「大いに稼いでください。何故なら、社会貢献をしようと思うならば、原資がないとできません。お金も良い方向に使うことで何倍にも意味のあるものになるのです」と言われました。そして「やりたいことをやるのも良い、しかしその先には必ず辛いことが待っています。その時に、やらなくてはならないことに気づくはずです」という言葉をいただきました。第一部で辛いことに意味があるということに気がついた私たちは、つまり未来の困難に対しても乗り越え、使命を見つけることのできる力を、このシンポジウムをきっかけに手に入れていかなくてはならないと思いました。

若者たちの中には、本当はもっと人生について語り合いたい、しかしちょっと気恥ずかしいという人は、私を含め多くいるのではないでしょうか。そんな風潮のあるこの社会で、このシンポジウムは大変貴重で良い機会だと改めて感じました。会を終えた後、参加してくださった学生の方々に話をきくと、多くの皆さんから「楽しかった」という声が聞こえてきました。楽しんでいただけて、リーダーとして大変嬉しい気持ちです。この日を迎えるまでに、多くの方々に多大なるご協力をいただきました。私自身も学んだこと、まだこれから課題として残ることがたくさんあります。この経験を生かして、より成長していきたいと思えるシンポジウムでした。皆様、本当にありがとうございました。



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