ヤングセミナー
【レポート】人間塾2019年度小豆島・遍路研修(第4日目)
2019年5月5日
人間塾 第8期生 工藤光太
(東京農工大学3年)
5月4日は歩き遍路の3日目でした。本日も素晴らしい天気に恵まれ、塾生一同すがすがしい気持ちでお遍路に臨むことができました。
最初に、最大の難所とされている豆坂峠越えを行いました。早朝で寝起きの体に峠の坂は厳しかったです。少しつらそうな塾生もいましたが、皆で「南無大師遍照金剛 お大師様に光明真言」と唱えながら登ることで乗り切ることができました。
お遍路道を歩いているとき、人が通る道を整備してくださっているのは誰なのだろうかと、ふと考えました。お遍路道はほとんど自然のままの状態になっています。その一方で、坂が急なところには丸太や岩が等間隔で並べられていて、人が登れるようになっています。また、落ち葉が綺麗に取り除かれているところもあれば、そのままになっている場所もあります。そこで、森下さんにお遍路道について伺いました。お遍路道はもともとお遍路のために作られたものではなく、村と村の間をつなぐための道として作られたそうです。しかし時代の流れとともに、その道はお遍路のためにしか使われなくなりました。それでも、お遍路道を整備するために大変な手間暇がかけられています。地域の方のお遍路の文化を守りたいという想いのもとに、この整備活動は行われているとのことです。
そのようなお話を伺い、人が安全に通れる道を山の中に作ってくれた方々は、お遍路に訪れる人たちのことを大切に思ってくださっているのだと感じました。私たちが何気なく歩いている道は無数の人々に支えられて成り立っていることが感じられ、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
徳島から今年の4月に東京に出てきて、人は多いけれども、その反面、人間関係の希薄さを感じることがありました。しかし、今回のお遍路研修では、見ず知らずの私たちをもてなしてくださるお寺の方々や、笑顔で挨拶を返してくれる小豆島の人たちの優しさに触れました。そして、心に潤いが戻り、東京でまた頑張ろうと思える経験となりました。