ヤングセミナー
【レポート】人間塾2019年度小豆島・遍路研修(第3日目)
2019年5月4日
人間塾 第8期生 北井結夏
(津田塾大学2年)
本日も天気に恵まれ、とても晴れやかな気持ちでお遍路に臨むことができました。
最初の難所は、奥の院笠ヶ滝に向かうまでの山道でした。山道はただ目的地に向かうだけでなく、登り降りを繰り返しながら進みます。そのため、奥の院笠ヶ滝が私たちの目の前まで見えているのにも関わらず、なかなかたどり着けないもどかしさを感じました。急勾配を登り終えた後の景色はひときわ美しく、このお遍路に参加できたこと、奥の院笠ヶ滝まで辿り着けたことに対しての感謝の気持ちでいっぱいになりました。
そして、本日の最後に最大の難所である恵門の瀧までの山道が待ち受けていました。不安定な足場と急勾配でバランスを崩しながらも、なんとか登り切ることができました。皆で「南無大師遍照金剛 お大師様に光明真言」と歌いながら登ることで、山道の辛さが紛れ、皆との心のつながりを感じました。
お遍路を終えた後、仲野塾長から「ノブリス・オブリージュ」という考え方が大切だと教えていただきました。「ノブリス・オブリージュ」とは、高貴なる者という意味のノブリスと、義務を背負っているという意味のオブリージュから成る言葉です。「高貴な者は義務を負う」というこの言葉を、仲野塾長は、人間塾でとても大切にしている、と話されました。塾長は、私たちは決して貴族ではないけれども、高貴なる精神性を持つ者でいなくてはいけない、とおっしゃいました。なぜなら、私たちは皆、無条件の愛を受け育てられてきました。同時に、人から見守られ、期待され、多くを与えられてきたのです。私たちには、地位も名誉も関係ありませんが、多くを与えられ、たくさんのものを持つ存在です。そういった意味において、大変恵まれた、多くを持つノブレスな存在なのです。私たちは、たくさんの愛や思いを受けていることを認識し、自分の中の能力や可能性を磨いていかなくてはならない「義務」がある。すなわちオブリージュを全うするのだということを強く思いました。
私はお遍路に参加し、札所を巡ることを通じて、自分が今ここにいるということに対する感謝が心の底からあふれ出てくるようになりました。仲野塾長、壺井さん、小豆島の方々をはじめ多くの人に愛されていることに感謝しながら、自分の新たな一面に気づくことができるよう、これからも精進していきます。