ヤングセミナー

【レポート】人間塾2018年度第20回ヤングセミナー

2019年2月15日

人間塾 第7期生 生田目友寿希
(立正大学2年)

冬の寒さが厳しい2月7日、第20回目のヤングセミナーが開催されました。外の寒さにも負けない元気な笑顔が人間塾には集まってきます。4月から始まったヤングセミナーも、今年度、残すところあと数回になりました。

今回のセミナーは始まってすぐに、塾長が「皆に読んでほしい記事がある」と言われました。配られたのは、朝日新聞に掲載されている池澤夏樹氏による記事でした。その見出しは、「AI時代の警告 教育いじりはやめよう」で、AIが席巻する昨今、AIと人間との違いを隔てているものは何なのか?という視点から、これからの人間社会や教育について言及したものでした。池澤氏は、コンピューターはあくまでも「計算機」の域を出ず、入れたものを出すことしかできない、と述べています。どんなに計算式を詰め込んでも、コンピューターには文章題の問題を解くことはできない。何故なのでしょうか?池澤氏は、コンピューターは厖大な計算式をただ詰め込んでいるだけであって、その文章の持つ「意味」を理解しているわけではない、と論じています。

人間塾2018年度ヤングセミナー:フロストを読む

フロストを読む

これを受けて、塾長はアメリカの詩人ロバート・フロストの詩を紹介しました。その詩の題は「THE ROAD NOT TAKEN」といい、塾長が17歳の時に出会った詩だそうです。それ以来40年近く、塾長はこの詩に親しんできました。全篇英語での紹介でした。塾長が一行ずつ英文を読み、その意味を塾生に聞いていきましたが、皆満足に答えられませんでした。単語の一つずつの意味は、皆よくわかっていました。しかし、それが一つの文章になると、その全体的意味をイメージして、答えることができないのです。これこそが、「意味」が分からないことの典型なのだと、塾長は仰いました。各単語の意味を検索するのは、コンピューターで簡単にできるが、それらを組み合わせて、一つの意味を持った全体にすることができない。このような知的作業は、人間にしか出来ないと話されたのです。「意味」を見つけ、それらを理解できるように伝えられない君たちは、一つ間違えると、人間ではなくコンピューターに成り下がってしまうのだ、という言葉が強く心に残りました。

コンピューターの奴隷になるのではなく、私たちがコンピューターを使いこなせるようになるために、自らの感性を磨くのが大切であると学びました。また、想像力は人間として生きていく中で必要不可欠なものです。意味を汲み取る力を育てる必要性を実感するセミナーでした。

人間塾2018年度ヤングセミナー:節分のお豆

節分のお豆




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